モバイルデバイス管理 MDMサービスが担う攻めと守り
第6回
事業の急成長で浮上したユーザー支援と保守・管理
MDM活用で対応進展

全国で在宅医療事業を展開するソフィアメディ株式会社(伊藤綾・代表取締役社長兼CEO)は、在宅療養患者に対する手厚い訪問看護が好評を博して急成長を遂げている。情報共有のためにiPadを導入したものの、活用支援と保守・管理が課題に。そこで導入したのがアイキューブドシステムズのモバイルデバイス管理サービス「CLOMO MDM」だった。

アイキューブドシステムズ CLOMO

医療職に1台ずつ貸与しICT浸透を一気に進める

ソフィアメディ株式会社は2002年に創業、首都圏を中心に北海道、北陸、東海、関西、九州などに訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、デイサービスを展開している。22年8月現在で92事業所、従業員約1500人、うち9割は医療職である。

成長に伴って浮上した課題に「紙文化」があった。
開業当初から看護記録をはじめ伝達事項や帳票類はすべて紙の書類で進めてきたが、事業の成長速度に追いつかない状況は明らかだった。ある事業所では3畳一間が書類の入った段ボール箱で埋め尽くされていたという。

同社が進める看護体制にも適さなくなっていた。同社では利用者に1人の看護師が付く担当者制から、複数の看護師で対応するチーム制に移行しており、リアルタイムでの情報共有が不可欠になりつつあったのだ。

こうしたこともあり、2018年にプロジェクトを立ち上げ、業務のデジタル化に踏み切る。まず電子カルテを導入、看護記録の記入・保存・閲覧についてデジタル化を進め、ほぼ同時に医療職1人にiPad1台を貸与し、看護記録を記入できるようにした。

iPad採用の決め手は「記録の読みやすさ」だった。
iPhoneのようなスマートフォンは携帯に便利だし、記入もストレスにならないが、画面が小さいので参照しにくいという判断からだ。

現場の意向も取り込み導入後は用途が拡大

もちろん、現場の声や要望の取り入れにも力を入れた。プロジェクトメンバーは積極推進派から消極派、反対派まで召集、あらゆる角度から「使いやすさ」を追求した。

実際に稼働させると、1年半後には全社で定着したという。業務支援本部総務システムグループの谷一弘氏は
「紙のファイルを持ち歩く必要がなくなり、ipad内の記録が積み上がるなかで徐々にメリットを感じてもらったと思います」
と語る。
それどころかiPadの浸透が進むと、本部が想定していた範ちゅうを超えた活用が始まる。患者状態の評価の補助や、機能回復練習に役立てたりするアプリケーションが多く出回っており、それらを活用するケースが増えてきたのだ。

谷一弘氏の写真
業務支援本部 総務システムグループの谷一弘氏

本部ではこうした動きを受けて、特に関心の高いスタッフが自由に参加できる「ITメイト」という社内ユーザー会を立ち上げ、毎月、議論を交わす場を設けた。

さらに同社の特長の一つに体系的な研修体制が挙げられるが、この充実にも寄与した。訪問看護は重度の患者への対応も積極的に行うこともあって、医療職のスキルアップに従前から力を入れてきた。
これに魅力を感じて入職する医療職もいるほどだが、コロナ禍でも研修体制はオンラインで維持した。当然、ここでもiPadが活きた。

このように、社内でのICTツールの活用は拡大する一方なのだ。

2300台以上の機器で「キッティング」作業が発生

ただ活用が定着すると、新たな課題が浮上した。
医療職に貸与したものも含めてiPadが1500台、PCも800台以上となっており、これを4~5人のシステムグループで一元管理するのはかなり難しくなってきたからだ。

機種を問わず、使用には初期設定や必要なアプリケーションを取り込む「キッティング」という作業が発生するが、その作業は煩雑さを増すばかりだった。
たとえば毎年4月は100人以上の新人職員が入社するが、割り当てた1台ごとに設定が必要になり、この時期はスタッフの残業時間が跳ね上がる事態も常態化していた。

何より、機器の紛失に備える対応が急務だった。使用するにはIDと暗証番号の入力を経る仕組みになっているが、患者様の個人情報を扱うだけに、遠隔の場所から端末の記録を消去できるシステムが不可欠だった。

使い勝手と保守の充実で「CLOMO MDM」を採用

こうした経緯からMDM導入が決まり、白羽の矢が立ったのがアイキューブドシステムズの「CLOMO MDM」だった。

決め手としてはまず、操作の簡便性が挙げられる。谷氏をはじめ特定のスタッフだけが扱えるという体制では、一部に業務負担が集中してしまう。それを避ける必要があった。
「ユーザーインターフェースはわかりやすく、機器の登録も半ば自動的に行えます。この操作性は大きな特徴です」
と、谷氏は説明する。

MDMの導入によって情報システムのモバイル化、広域化にスムーズに対応できるようになっただけでなく、リスク対策も厚みが増した。訪問看護を通じて地域医療への貢献を全国的に展開するソフィアメディのモバイルデバイスマネジメントに学ぶところは多そうだ。(『最新医療経営PHASE3』2022年11月号)

 

ソフィアメディ株式会社(東京都品川区)

2002年設立。「安心であたたかな在宅療養を日本中にゆきわたらせ、ひとりでも多くの方に、こころから満たされた人生を」をビジョンに掲げる。指定訪問看護ステーションの運営、リハビリ重視型デイサービスの運営、居宅介護支援事業所を展開している。重度者や看取りなどにも積極的に対応している。
本部所在地:東京都品川区西五反田1丁目3-8 五反田PLACE3階
電話:03-6420-3875

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