2022.08.01
介護業界深読み・裏読み
岸田賃上げ「3%(9000円)」が
次期報酬改定を左右する
介護業界に精通するジャーナリストが、日々のニュースの裏側を斬る!
さて、前述した「新たな経済対策」における3%の賃上げは、来秋には処遇改善加算への組み入れが見込まれると報道されている。次の介護報酬改定ではコロナ対策の揺り戻しが来ると言われているが、これにより「加算でプラス、本体マイナス」の基調につながる可能性は高まるだろう。財務省の「事業者の収入ではなく、介護職員の実際の賃金引上げにつながる」ようにとの主張とも一致する。今回の賃上げは、次期改定でマイナス改定を取り付けるための「前払い」のようなものになったと言えるだろう。とはいえ処遇改善分の財源がなければ特段のプラス要素が見当たらない恐れもあり、単純に拒絶するだけではどうにもならないのも間違いない。