第7回 全国栄養経営士のつどい 東京大会開催!(2022.9.11)

一般社団法人日本栄養経営実践協会(代表理事:宮澤靖/東京医科大学病院栄養管理科科長)は9月11、東京国際フォーラム会議室G407において「第7回全国栄養経営士のつどい東京大会」をハイブリッド形式で開催した。

管理栄養士への今後の課題と期待が語られた基調講演・特別講演

基調講演には水野英彰氏(医療法人社団悦伝会目白第二病院副院長)が登壇。「超高齢社会に立ち向う栄養経営士に期待されるアウトカムとは?~腸内細菌叢への栄養介入を中心に~」と題して講演した。

水野先生
最新の知見も交えつつ腸について語る水野英彰氏

水野氏はまずwith COVID-19の時代において、医療・介護のパラダイムシフトが求められていると指摘。高齢者医療の現場ニーズが「長く生きる」から「良く生きる」に変化しているなかで、これからは「筋活」「腸活」のための栄養療法がポイントになると訴えた。
講演の最後で水野氏は腸管のIgA抗体の活用で腸内細菌叢の改善がもたらされるという東京大学定量生命科学研究所の新藏礼子教授の研究を紹介。論文の確認を参加者に勧め、「腸内環境の改善がもたらされたとして、それを継続していくためには管理栄養士の力が欠かせない」とし、管理栄養士が担うべき役割を明確に提示した。

続いての特別講演では、全日本病院協会の「病院給食のあり方(HACCP対応)検討特別委員会」で委員長を務める今村英仁氏(公益財団法人慈愛会理事長)が登壇し、「病院の栄養部門が抱える課題とこれからの管理栄養士への期待」を講演した。

今村先生
今村英仁氏は病院給食の問題点と管理栄養士への課題と期待を述べた

今村氏は病院の給食部門について、2017年の中医協での議論で病院給食部門が赤字になっているという資料が提示されたところから病院経営者のなかで理解が進んできたという経緯を示し、現在では現場主導だけで解決できる問題ではなく制度としての課題があるという認識で、病院団体としても厚生労働省側と相談をしているという状況を報告した。
臨床栄養管理については、診療報酬制度でも管理栄養士の臨床栄養管理推進を後押ししているなかで、管理栄養士が医学的な知識を持っていないとチーム医療のなかで活躍できないという問題を提示。管理栄養士の目指す方向性として、臨床栄養管理が担える管理栄養士の育成と多職種連携業務の強化を挙げ、管理栄養士のさらなる活躍に期待を寄せた。

栄養経営士が現場での教育・業務改革などの取り組みを発表

大会後半は栄養経営士による実践報告が行われた。今大会では7名の栄養経営士に登壇し、自身が取り組んできた現場の改善事例について報告。近隣にある市場から食材を仕入れることで病院給食の質向上を目指した事例や、NST活動において栄養プロトコルを導入することで業務のスマート化、タスクシフト・タスクシェアに繋げた事例など、独自の先進的な取り組みに加え、2022年度の診療報酬改定を受け、病棟常駐に向けて現状の課題を整理し、部門の職員の業務形態、教育体制の見直しを図った事例など、栄養部門における業務改革の最前線からの報告が行われた。

山下先生と吉田先生
実践報告前半の座長を務めた山下茂子氏(左)と吉田貞夫氏

座長を務めた山下茂子氏(元熊本県立大学環境共生学部非常勤講師)、真壁昇氏(関西電力病院栄養管理室室長)、吉田貞夫氏(医療法人ちゅうざん会ちゅうざん病院副院長/金城大学 客員教授)とのディスカッションでは、参加者からの質問も交え、活発な意見交換がなされた。真壁氏は「付加価値をどのように言葉に、そして数字にしていくのかということが、栄養経営士の重要な役割ではないかと考えている。まさにそこをしっかりとやられている発表で、非常に素晴らしかった」と話し、現場で栄養経営を実践されている栄養経営士の方へ力強いエールを送った。

プログラムの最後に行われた「栄養経営士サロン」では、座長を宮澤靖代表理事が務め、パネリストとして田中智美氏(医療法人渓仁会手稲渓仁会病院栄養部部長)、西岡心大氏(一般社団法人是真会長崎リハビリテーション病院教育研修部副部長・栄養管理室室長)が登壇。事前に寄せられた質問のほか、リアルタイムで参加者から寄せられる質問を元に意見交換を行った。

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