小林製薬「紅麹」、関連製品の流通・販売は全国3.3万社、TDB推計

2024/03/30更新

帝国データバンクの発表資料より

小林製薬株式会社が機能性表示食品として販売していた紅麹サプリメントの問題(摂取した人に腎疾患などが発生したとの報告を受けた問題)で、同社から原料として紅麹を仕入加工・販売した企業で製品回収などの影響が広がっているようです。

株式会社帝国データバンクは、同社が保有する企業データベースのうち、「小林製薬が直接紅麹原料を卸している52事業者および同企業から小林製薬の紅麹原料を入手している企業173事業者」から製品などを仕入れている企業について調査・分析を行ったと発表しました。

調査の結果、225事業者から直接商品などの仕入・販売等の取引関係を有する「一次販売企業」が873社、原料などとして仕入などの取引関係を有し、流通・加工を行う「中間流通・製造等(一次仕入加工)」の企業が3,878社判明しました。
また、一次加工企業から商品の仕入・販売などといった取引関係を有する「二次仕入・販売企業」は2万8,775社判明し、直接的・間接的に紅麹製品を消費者へ販売・提供している可能性のある取引企業は2万9,648社に上りました。
製造・販売を含めた企業の合計は3万3,526社となり、小林製薬から直接紅麹原料を仕入れた225事業者(重複等含む)と合わせると、国内最大3万3,000社で、小林製薬製の紅麹原料を使用した製品が流通している可能性があるといいます。

業種別にみると、一次加工企業では「製造業」が2,423社で最も多く、全体の49.6%を占めました。なかでも「飲食料品製造」が1,778社に上り、製造業全体の約7割を占めました。
飲食料品製造のうち、納豆などのほか調理パン・弁当などの製造(「その他食料品製造業」)が最も多い267社。次いで、塩辛や佃煮、削節などの製造(「その他水産食料品製造業」)が190社、かまぼこなどの「水産練り製品製造」175社と、水産品に関連する業種が上位を占めました。
また、和菓子など「生菓子製造」(128社)のほか、「醤油・アミノ酸製造」(79社)や「野菜漬物製造」(71社)など発酵食品に関連する業種も多くみられました。

二次仕入・販売を含めた関連約3万3,000社では、食品スーパーなどを含めた「飲食料品小売」が5,582社に上り、全体の16.6%を占めました。
「飲食店」(3,115社)や「飲食料品製造」(1,788社)など、食料品に関連する業種が上位を占めました。
このほか、医薬品や化粧品などの販売(「その他小売業」)が5,171社、病院などの「医療業」が3,884社でした。

調査結果は下記HPにも公開しています。
https://www.tdb.co.jp/report/index.html

帝国データバンクの発表資料より

 

一方、小林製薬では、2024年3月22日付「紅麹関連製品の使用中止のお願いと自主回収のお知らせ」、同25日付の第2報、同26日付の第3報、同27日付の第4報及び同28日付の第5報にて、紅麹サプリメントの問題に関し最新の情報を公表しています。29日付の第6報によりますと、腎疾患を伴って亡くなった人が、生前に紅麹コレステヘルプを使っていたとの連絡が3月28日に、遺族からあったとのことです。なお現在、事実及び因果関係は確認中ということです。

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