サンバイオの決算説明会、再生細胞薬「SB623」の承認に関する質問が相次ぐ
2024/03/19更新
再生細胞医薬品の開発を行うサンバイオ株式会社(東京都中央区)は19日、株主、投資家、報道関係者を対象に2024年1月期Web決算説明会を開催しました。
説明会では、前日の18日に発表した2024年1月期決算のほか、SB623の国内承認に向けた動きなどについて説明しました。
SB623は、同社が開発を進めている再生細胞薬で、外傷性脳損傷(慢性期)や慢性期脳梗塞の疾患などを対象としています。
外傷性脳損傷とは、交通事故や転倒などで外から頭に強い力が加わり、脳の組織が傷つくことによっておこる疾患ですが、SB623が脳内の神経組織に投与されると自然な再生機能を誘発することで失われた運動機能の改善を促すことが期待されているそうです。
同社では、このSB623に関して、18日付で「国内SB623慢性期外傷性脳損傷プログラム製造販売承認取得の状況について(続報)」と題したプレスリリースを公表しています。
それによりますと、SB623のについては今年3月までの製造販売承認取得を目指していて、今月25日に開かれる「薬事食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会」の議題にSB623が含まれているとのことです。
一方、部会において製品の承認可否を審議する場合、通常、“製造販売承認の可否について”という文言が議題に含まれますが、今回の議題にはこの文言が含まれていないとしています。
こうした中、Web決算説明会では投資家から、「25日の部会で承認ついては議論されない見通しである。3月承認はないのでないか」といった質問が相次ぎました。
これに対し、森敬太代表取締役社長は、「3月承認に向けて当社としてすべてのことをやり切った」としたうえで、「今回の部会は異例の部会であると思うが、内容については、当局も関連するので非開示にする」と話していました。
なお、部会の結果や内容については、数か月になると予想される議事録の開示を待たずに「お話をしたい」と話していました。
(文/ヘルスケア・マネジメント.com)