社会保障短信(2月18日号)

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トピックス…「医療施設等経営強化緊急支援事業」詳細を通知
ひとこと…高額療養費制度について
今週の数字…20円

トピックス:「医療施設等経営強化緊急支援事業」詳細を通知

▼2024年度補正予算の7事業を具体化
厚生労働省は2月12日、医政局医長名で通知「令和6年度医療施設等経営強化緊急支援事業の実施について」を発出した。2024年度補正予算で挙げられた事業の具体的内容となっている。

①生産性向上・職場環境整備等事業
②病床数適正化支援事業
③施設整備促進支援事業
④分娩取扱施設支援事業・小児医療施設支援事業
⑤地域連携周産期支援事業(分娩取扱施設)
⑥地域連携周産期支援事業(産科施設)
⑦医療施設等経営強化緊急支援執行事業
の7つ。

▼生産性向上には1床18万円
「生産性向上・職場環境整備等事業」については、ベースアップ評価料を2025年2月1日時点で届け出ているか、同年3月31日時点で届出見込みの病院、診療所、訪問看護ステーションが対象。業務の効率化や職員の処遇改善を図るところに給付金を支給する。

支給額は病院・有床診療所が病床数×4万円、診療所と訪問看護ステーションが1施設×18万円。

対象となる取り組みは大きく次の3つがある。

▽ICT機器等の導入による業務効率化:タブレット端末、離床センサー、インカム、WEB会議設備、床ふきロボット、監視カメラ等の業務効率化に資する設備の導入
▽タスクシフト/シェアによる業務効率化:医師事務作業補助者、介護補助者等の職員の新たな配置によるタスクシフト/シェア
▽給付金を活用した更なる賃上げ:処遇改善を目的とした、既に雇用している職員の賃金改善

▼削減支援、産科や病床融通は対象外
「病床数適正化支援事業」は2024年12月17日~2025年3月31日に病床数の削減を行う病院/診療所に給付金を支給する都道府県に補助を行うもの。実施主体となる都道府県ごとに積み上げたものを予算の範囲内で支給する。

削減した病床1床につき410万4000円。支給対象の稼働病床が地域医療介護総合確保基金における病床機能再編支援事業(単独支援給付金支給事業)による給付金の支給を受けていた場合は差額のみを支給する。

次の病床は対象外となる。
▽産科部門の病床および小児科部門の病床
▽同一開設者の医療機関へ病床を融通し、その融通した病床
▽事業譲渡等で削減した病床
▽病床種別を変更した病床
▽都道府県が医療計画上の必要性から開設を認める病床について定めた医療法第30条の4第10項~第12項の規定および国家戦略と区別区域法に基づき許可を受けた病床
▽その他(放射線治療室の病床、国立および国立以外のハンセン病療養所である病院の病床など)

病床数適正化支援事業は「病床版減反政策」と言える。今回の措置は2024年度内とかなり限定的だが、2025年度以降も継続されるか、注目されそうだ。

ひとこと:高額療養費制度について

「世代に関係なく、この高額療養費制度というものが非常に心強い制度ということも言えるかと思います。外来特例に限らず、所得区分に応じた引上げの検討の際には、過度な負担を強いることがないよう、丁寧な制度設計をよろしくお願いしたいと思います」
城守国斗
日本医師会常任理事
~第189回社会保障審議会医療保険部会 2024年12月12日

今週の数字:20円

入院時食費の1食当たりの引き上げ額。2024年度診療報酬改定で1食当たり30円引き上げを行ったが、食材費等の高騰が続ていることから、さらに引き上げる。(出典:福岡資麿厚生労働大臣と加藤勝信財務大臣の大臣折衝 2024年12月25日)
(文/ヘルスケア・マネジメント.com)

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