社会保障短信(3月12日号)

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トピックス…入院料通則で栄養管理、ACP、身体的拘束対応
ひとこと…重症度と平均在日数について
今週の数字…0.8%

トピックス:入院料通則で栄養管理、ACP、身体的拘束対応

▼厚労省の入院医療像
2024年度診療報酬改定のうち、目玉の一つとして注目されているのが入院料通則の改定だ。3月5日に厚生労働省が示した「全体概要版」では、

▽栄養管理体制の基準の明確化
▽人生の最終段階における適切な意思決定支援の推進
▽身体的拘束を最小化する取組の強化

――の3つについて説明している。厚労省が求める入院医療像と言えるだけに、着目する必要がある。

▼GLIM基準で低栄養判定
栄養管理体制の基準の明確化については、「退院後の生活を見据え、入院患者の栄養管理体制の充実を図る観点から、栄養管理体制の基準を明確化する」ことを求めており、その基準の「参考」としてGLIM(Global Leadership Initiative on Malnutrition)基準を挙げている。
2018年に世界の栄養学会が低栄養の診断基準として策定したもので、これなどを用いて全ての対象者に栄養スクリーニングを実施し、低栄養リスクのある症例を特定する。

▼ACP支援指針の要件対象を拡大
人生の最終段階における適切な意思決定(ACP)の支援推進では、厚労省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」などの内容を踏まえ、意思決定に支援に関する指針を作成することを要件とする入院料の範囲を拡大している。

具体的には、がん患者指導管理料算定医療機関、在宅療養支援診療所・病院に加え、新たに地域包括診療料、地域包括診療加算、認知症地域包括診療料、認知症地域包括診療加算を算定する医療機関も対象となる。

▼身体的拘束最小化の取組未実施は1日40点減算
身体的拘束を最小化する取組の強化では、組織的に身体的拘束を最小化する体制を整備することを規定しており、その基準を満たすことのできない医療機関は、入院基本料、特定入院料、短期滞在手術等基本料の点数から1日40点を減算する。

具体的には
▽患者または他の患者の生命または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束を行ってはならない
▽身体的拘束を行う場合は、患者の心身の状況や理由などを記録しなければならない
▽専任の医師、看護師による身体的拘束最小化チームを設置する
▽同チームは身体的拘束の実施状況を把握し、管理者を含む職員に定期的に周知徹底する
▽指針を作成し、定期的に見直すこと
――などを挙げている。

特に身体的拘束については、中央社会保険医療協議会の議論のなかで、とりわけ急性期病棟で散見されることが問題視されていたが、通則に盛り込むほどの徹底ぶりに驚きの声も聞かれる。
2025年5月31日までの経過措置が設けられているが、どこまで対応が進むか、注視する必要がありそうだ。

ひとこと:重症度と平均在日数について

「急性期にリハをしっかりやりましょう。あるいは、地域包括ケア病床、60日はちょっと長過ぎるということに対しても適正化が入っています。いろいろな仕掛けがあるので、これでも十分厳しい改定だと思っていますし、でも、それは甘んじて我々は受けてこうと覚悟しているわけですので、その上に、今回のこの提案を、1号側が言うようなことをやってしまったら、それこそ元も子も、何もかも移る前に潰れてしまうのではないかということを申し上げたい」
池端幸彦
日本慢性期医療協会副会長
~2024年1月31日 中央社会保険医療協議会総会

今週の数字:0.8%

福祉医療機構の調査による、2022年度における介護老人保健施設の事業利益率。2009年は10.8%だったことを踏まえると、13年で10ポイント下落したことになる。赤字割合も41.6%。2019年は21.7%だったから、コロナ禍で急速に悪化したことがうかがえる。(出典:福祉医療機構「2022年度 介護老人保健施設の経営状況について」2024年2月29日)
(文/ヘルスケア・マネジメント.com)

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