社会保障短信(3月6日号)

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トピックス…マイナ保険証は「4人に1人」が利用
ひとこと…コロナ患者の増加について
今週の数字…60.6%

トピックス:マイナ保険証は「4人に1人」が利用

▼カード携行は全人口の4割
社会保障審議会医療保険部会は2月29日の会合で、「マイナ保険証の利用促進等について」を議論した。このなかで利用の現状などが報告されている。

それによると、マイナンバーカードの保有状況は1月末時点で9168万人、全人口の73.1%になる。マイナ保険証の登録状況は7143万人でカード保有者の77.9%。マイナンバーカードの携行状況は人口全体の4割、カード保有者の5割。マイナ保険証の利用状況は、2月の調査で約4人に1人が利用経験があり、1月の利用実績は753万件で4.6%となる。

都道府県別のマイナ保険証の利用状況を見ると、上位は鹿児島県8.44%、鳥取県7.19%、福井県6.84%、宮崎県6.65%、石川県6.14%。下位は沖縄県2.31%、愛媛県2.65%、青森県2.88%、和歌山県3.00%、徳島県3.15%となっていた。

▼診療報酬や支援金を用意
利用促進に向けた施策も用意されており、2024年度診療報酬改定では「医療情報連携加算」の配点が見直されたうえで継続となったほか、「医療DX推進整備体制加算」では、施設要件としてマイナ保険証での取得情報を診察室で使用できる体制や利用実績などが挙げられている。

医療機関への支援については2023年度補正予算では217億円が充てられている。マイナ保険証の利用率が一定以上増加した医療機関に対して、増加率に応じて段階的に利用件数分を支援するというもの。2023年10月からの増加量が10%pt以上の場合、1件あたり40円、20%ptで1件あたり60円といった具合だ。

▼4割が窓口で声かけ
利用促進支援策を活用するためのチェックリストも用意しており、
▽窓口での声かけ
▽チラシ・ポスター等の院内配布・掲示
▽健康保険証の利用申し込みに関する案内
▽担当者の配置や専用レーンの設置
――などが挙がっている。

またオンライン請求を実施している施設約17万施設に対してマイナ保険証利用促進の取組状況についてアンケート調査を実施したところ、約4割が窓口で「マイナンバーカードをお持ちですか」などの声かけを、6割超がマイナ保険証のポスターの掲示などを行っていると回答しているという。

今年12月2日で現行の健康保険証は廃止されることが決まっており、これが覆る様子はうかがえない。利用促進に向けた後押し策は今後も見られそうだ。

ひとこと:コロナ患者の増加について

「全国的には今、非常に少ないのかなと思うのですけれども、実は私どもの稼働病床350のうちの1割がコロナを持った患者さんということであります。もちろん、これはコロナだから入院したというのではなくて、骨折で入院したらコロナだったとか、心不全で入院したらコロナだったとか、避難所で疲れていらっしゃる方々がコロナだということがあるのかなと思います。恐らく、石川県七尾市の大半の市街地、人口密集地は水道が通っておりません。そういった意味では、手洗いとかうがいといったことがなかなかできない。そして密になっているということで、今、コロナがまん延しているという状況かなと思います。」
神野正博
全日本病院協会副会長
~2024年2月9日 第106回社会保障審議会医療部会

今週の数字:60.6%

LIFE関連加算算定事業所を対象に「LIFEの利用場面」を聞いたアンケート調査に対し、「利用者状態の管理・課題把握」を挙げた事業所・施設の割合。そのほか、「ケアの質の向上に関する方針の策定・実施」「フィードバック票を用いた提供サービス・ケアの見直し」において活用している事業所・施設の割合が増加傾向にあった。(出典:社会保障審議会介護給付費分科会 介護報酬改定検証・研究委員会「LIFE の活用状況の把握およびADL維持等加算の拡充の影響に関する調査研究事業(結果概要)(案)」2024年2月28日)
(文/ヘルスケア・マネジメント.com)

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