日本慢性期医療協会が定例記者会見

2024/01/13更新

日本慢性期医療協会の橋本康子会長(写真右)と池端幸彦副会長

日本慢性期医療協会の橋本康子会長と池端幸彦副会長は1月11日に定例記者会見を行い、診療報酬改定とそれに伴う今後の方針、令和6年能登半島地震の被災状況などについて説明しました。

2024年度の診療報酬改定については、診療報酬本体を0.88%引き上げることや介護報酬を1.59%引き上げることなどの方針が決定されています。
これに関連して橋本会長は「医療従事者および介護職員などの処遇改善が主軸となっているが、プラス改定は(1,200億円超の国費増で)国民負担の増加に直結する。私たちは、この責任を自覚し、何をしていくべきか考えていきたい」と話していました。

具体的には、2023年は2000年比で65歳以上の高齢者数が1.7倍(2,165万人から3,586万人)に増加し、このうち要介護4および5の高齢者数は63万人から187万人と3倍に増えて、100人中5、6人が寝たきりになっているなか、「(慢性期医療の目的でもある)患者のQOLを高めること(を行っていく)」と説明していました。
続けて、「寝たきりでは生活の質を高めたとは言えない。旅行に行きたい、ゴルフがしたい、仕事をやりたりということで生活の質を高めることになるが、自分のことは自分でできるということが根底になければ生活の質はあがらない。寝たきりを減らすことが我々の使命。病気になった人を寝たきりにさせない、寝たきりの状況を改善していく」などと語っていました。
また、就労人口が減少しているなか、「寝たきりが増えなければ、介護職員、家族の介護時間の削減にもなる」と話していました。

日本慢性期医療協会では、総合診療医育成の認定講座、メディカルケアマネージャーのスキルアップなどを行ってきたとのことですが、今後も「診療報酬の引き上げを原資に、人材育成や業務効率化(DX化)など医療介護の質向上を図り、寝たきり防止やQOL改善などの形で患者に還元していきたい」と語っていました。

一方、福井県の医療法人池慶会 池端病院の理事長 院長でもある池端副会長や橋本会長が、令和6年能登半島地震の被災状況や対応、今後の震災に向けての取り組みについて説明していました。
今後の震災に向けての取り組みについては、日本慢性期医療協会として災害時のマニュアル整備をしていくことの必要性について言及。さらに、「どこにいてもその方(被災者)の飲んでいる薬や既往歴が分かるようにしていくことが大切」などと話していました。

橋本康子会長

池端幸彦副会長

(文/ヘルスケア・マネジメント.com)

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