医療経営士からの実践報告!病院改善ケーススタディー
看護部門に配属された
医療経営士ができること

病院の医療経営士は事務部門で活躍するケースが多いが、やわたメディカルセンターの山田竜也氏は、事務部門の管理職として同院で初めて看護部に配属され、改善に取り組むことに。看護部での活躍の一端を、2024年の「全国医療経営士実践研究大会」福岡大会の演題発表より紹介する。

レンタル病衣の更新で業務の流れの見直し図る

石川県小松市にある当院は県の南側、南加賀医療圏に属し、208床のケアミックス型として運営しています。私自身はこれまで理事長・院長秘書としてトップのサポートをさせていただいていましたが、あるとき院長から「看護部に移ってほしい」というお話をいただきました。当院では事務の管理職が看護部に配属されることはこれまでなかったので理由を聞いたところ、「看護部が困っているので、そこで医療経営士の力を発揮してほしい」と。働き方改革が始まり医師へのサポートは充実してきていますが、看護職員についてはまだ十分ではない部分もあります。とにかく忙しい看護職員が働きやすい環境を整える必要がありました。

何から手をつければ良いか考えていたとき、ちょうどレンタル病衣の契約が更新時期に。通常、このような案件については事務部門主導で実施することが多かったのですが、せっかくなので、これを機に改善につなげられないかと考え、看護部も加わることにしました。
もちろん、病衣の更新だけでは改善にはつながりません。この機会を活かすことができるよう、病衣以外の物品も含め、保管場所や在庫状況について見直すことにしました。

まずは職員への聞き取りを行い、従来の業務の流れを把握しました。するとこれまでは、入院前にサポートセンターのスタッフが説明を行うところから申込書の回収、システムへの入力、患者さんへの病衣のお渡し、契約変更の要望への対応まで、看護師や病院側の職員が担当する業務が少なくないことがわかりました。そこで、今回の契約更新にあたって委託先と相談しながら、それらの業務フローを整理することにしました(図1)。

図1 業者と検討した内容は説明会を通して職員にも周知

その結果、物品の運搬・回収、レンタル契約に関する確認や説明等を委託先の常駐職員に担当してもらうことになり、病院側の業務が大幅に削減されました。合わせて各病棟で保管場所が異なっていた物品の所在を統一、病衣・リネン等の保管庫を再整備することもできました。

会議体の再構築により動けるチームづくりを実践

今回、調査の一環として患者さんへのインタビュー調査も実施。「新しい病衣はどれが良いと思いますか」という程度のものですが、生の声を聞く貴重な機会となり、患者さんとのコミュニケーションの一助にもつながったと考えています。

また、他の医療機関がどのように行っているのかについて、これまで培った医療経営士間のネットワークを有効に活用して情報を収集。他の医療機関の医療経営士とは普段からさまざまな情報交換を行っており、ネット検索でも出てこないような生の情報を共有できる関係を築けているということは、大きな強みだと改めて感じます。

プロジェクトの結果について職員にアンケートを取りました。「從来から病衣にかかわる業務に負担を感じていたか」との質問には、7割が負担だったと回答。そのうちの7割以上が今回の変更で負担が軽減されたと答えました。具体的な意見としては、「これまでは看護師としての業務を止めて行わなければならなかった患者さんへの配付回数が減った」「サイズ確認等の聞き取りをしなくてよくなった」などがありました。

今回のレンタル病衣の更新にかかわる取り組みを通して看護職員業務を減少できたことで、本来の業務に時間を有効に使うことができるようになりました(図2)。ただ、現時点では週末や連休で在庫不足が発生する場合があることや、契約内容が職員側でわからなくなるなどの課題もあります。契約内容の共有ができるようなシステムの準備や配付枚数、在庫数量の見直しによる在庫不足の解消といった対策を検討しているところです。

図2 具体的な業務の減少につながり職員の負担軽減を実現

医療経営士が看護部門に入って一緒に仕事をし、事務部門をはじめ他部署とのつなぎ役としての役割を果たすことが、組織活性化につながるのだと感じています。(『最新医療経営PHASE3』2026年3月号)

特定医療法人社団勝木会やわたメディカルセンター
看護部/医療経営士3級
山田竜也さん

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