マネジメント カウンセリング・ルーム
Vol.7
行動管理の基本となる
タイムマネジメントは必須
<今月のご相談>当院では全職員の人事評価を導入していて、半期ごとに所属長との面談を行います。その際、各自の年間目標の管理シートを見ながら話をするのですが、提出が遅れた主任を注意したところ、逆にリマインドがなかったことを指摘されました。提出物の締め切り管理は自分ですべきだと思うのですが、どうなのでしょうか。
リマインドメール頼みの時間管理では困る
かなりしっかりした目標管理の仕組みを運用していますね。年度初めに個人の目標を設定して、毎月の進捗を確認し、目標とおりに進められているのか、うまくいっていないのか、何か別の課題にぶつかり進められなくなっているのかなどを、半期に一度の所属長との面談で確認し、年間目標達成に向けた指導を受けるというものでしょうか。一人ひとりの職員との面談は30分程度だと思いますので、目標管理シートで事前に自己評価を行ったものを見ながら面談を行うというやり方が想定できます。
今回、提出が遅れた主任の主張は、「4月初めに目標管理シートが配られ、初回面談が9月末と言われても、なかなか手をつけるタイミングがなく、ギリギリで半年分を記載することになって時間がかかってしまった。3カ月分ずつ提出するように中締め日を設けてほしい。また、提出の1週間前にリマインドメールなどで提出日を案内してほしい」ということですから、そこまでわかっているのであれば、6ヵ月の自分のスケジュールを自分で管理できそうなものです。
仕事を進める際のポイントの一つとしてタイムマネジメントがあります。行動管理(スケジュール管理、タスク管理)、優先順位づけ、目標設定、振り返りによる業務最適化を行います。
主任であれば、自分のタイムマネジメントだけでなくメンバーのタイムマネジメントも行う立場ですから、その基本となる行動管理はしっかり行ってほしいところです。
身につくと日々の仕事にもメリハリがつき急変対応も可能に
長期のスケジュール管理を進めるには、計画をしっかり立ててタスクに分解し、いつまでに何を行うか、具体的な日付で管理する必要があります。もちろん、長期計画であればずれる事態も発生しますが、そのときは全体のバランスを見ながら最終締め切りに間に合うようスケジュールを組み直すことになります。基本的な行動管理手法をこの機会に再確認して、次の面談(半年後でしょうか)までの目標管理シート記載スケジュールをつくってもらうのが良いと思います。
そんなに難しい作業ではないので、あえて「やろう」とは思わないのかもしれませんが、このシンプルな行動管理、タスクに分解してスケジュールを組む習慣が身につくと日々の仕事の進め方にもメリハリがつき、急な予定変更やタスクの割り込みなどにも柔軟に対応できるスキルが身につきます。仕事の進め方の基本でもあるので、ぜひ実践していただきましょう。
最近は、研修や委員会等の開催前日のリマインドメールが当たり前になっており、それをきっかけに予定を思い出すようになってしまっているのかもしれません。仕事だけでなく、外部のセミナーや、スポーツジムの予約なども前日にリマインドメールが来るのが当たり前のようになっています。もちろん顧客サービスとしては親切ですし、離脱防止のための重要な施策でもあります。
ただ、仕事のスケジュールでも、リマインドされることに慣れきってしまうと、「自分で管理する」という意識が薄れることもあると思います。学生時代、定期試験のスケジュールが発表になると、勉強する科目の組み合わせや順番などを組んだりしたものです。
今後、主任が課長となり部門長になっていくとなると、メンバーのタイムマネジメントだけでなく、病院全体の中長期計画の作成なども行うようになります。これを機に、マイルストーンを設定しながら業務を進めていく習慣を身につけてもらうようにしましょう。(『最新医療経営PHASE3』2024年12月号)