介護から医療への情報提供のあり方を議論

医療業界のトピックスをまとめています、是非ご覧ください。今回のテーマは介護から医療への情報提供のあり方についてです。

■2023年度までに結論

「健康・医療・介護情報利活用検討会」の「第5回介護情報利活用ワーキンググループ(WG)」が4月5日に開かれ、「医療・介護間で連携する情報の範囲」が議論された。

 厚生労働省のデータヘルス改革では、2024年度より順次、利用者自身が介護情報を閲覧できる仕組みを整備するとともに、介護事業者間で介護情報を共有できるためのシステムを開発するという工程表を描いている。これを具体化するうえで、①必要な情報の選定・標準化、②情報を閲覧・共有するための仕組みの整備――が課題として浮上し、これらを検討するためにWGが2022年に開始された。検討会と関係審議会に定期的に報告しつつ、2023年度までに結論を得るとしている。

 これまでWGでは、共有する情報の内容の基準、情報の範囲、内容の留意事項、閲覧者の範囲などが議論されてきた。今後は医療機関から介護事業所に共有すべき情報も取り上げられる。

■認定情報のほかLIFE情報も

 今回の「医療・介護間で連携する情報の範囲」では、介護事業者や自治体から医療機関へ共有すべき利用者の介護情報の内容が論点になった。

 これまでの議論で、情報を共有するうえでの要件として▽利用者の自立支援・重度化防止のため、本人・専門職等による共有が有用であること、▽地域の実情に応じた介護保険事業の運営に有用であること、▽記録法や様式が一定程度、標準化されていること――が挙がっていた。これらを満たす情報として①要介護認定情報、②請求・給付情報、③LIFE(Long-term care Infomation system For Evidence、科学的介護情報システム)で収集している情報、④ケアプラン――の4つが示され、介護情報基盤を用いて共有することとしていた。

 医療・介護連携における介護情報の活用イメージも示している。たとえばLIFEについては、医療機関の患者について、介護事業所における不断の状態(身体機能、認知機能など)を確認できることで、治療だけでなく、帰宅後の生活を見据えた早期のリハビリ導入など、本人の状態にあった医療提供が可能になるといったケースを挙げる。

 今回はこれを受けて、▽介護事業所から医療機関へ介護情報が共有されることによる、利用者にとってのメリット、▽介護事業所から医療機関へ共有すべき介護情報、▽共有に際して、利用者の個人情報の観点から留意すべき点、▽介護情報基盤と地域医療連携ネットワークとを活用した仕組みをどう考えるか――などの議論が求められた。

■ケアマネの関わり方も議論に

 構成員の野尻晋一・全国デイ・ケア協会理事(介護老人保健施設清雅苑施設長)は、医療機関と介護事業者での情報共有に影響を与える因子として、▽共有のシートとして一般的な様式でないものの指定、▽医療機関サマリー情報量の差異、▽主治医とのタイムリーな連絡体制、▽ケアマネジャーが介在することによる情報伝達・把握の遅延、▽外部医療機関の情報連携ツールによるサービス開始の遅延――などを挙げた。

 一方で熊本守康・日本介護支援専門員協会常任理事は、医療・介護間連携においては、ケアマネが詳細な情報収集を行うことから、「ケアマネをハブ機能として情報連携をコントロールすることも一案」と指摘している。また「共有すべき情報とは、利用者・患者の価値観、生活上のこだわり、生活習慣、役割や生きがいとしていること、家族との関係などである」とも付け加えた。

■書式の共有化はどこまで可能か

 介護情報を医療現場にも活用してもらおうという動きが加速することは間違いなさそうだ。イメージで示されたLIFEの活用はその一例と言える。

 ただ、これまで挙がっていた4つの共有可能な情報は、厚労省がまとめているように記録法がある程度、統一化されているが、「生きがい」などはどこまで書式を共有化できるかという懸念が浮上する。

 一方で、高齢者医療の場合はとりわけ、そうしたポイントが治療方針にも影響するといわれる。どの情報を、どのように共有するかといった点も、議論が求められそうだ。

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