新宿駅で来院患者数No.1の院長が語る
競合に差をつける経営の秘訣

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う患者の受診行動の変容、人口減少による患者減、社会保障費の抑制など、診療所経営を取り巻く経営環境は非常に厳しくなってきています。もはや「戦略なき、診療所に明日はない」といえる状況です。
この厳しい時代を生き抜くための戦略と戦術をまとめたのが発売中の『競合と差がつくクリニックの経営戦略』(日本医療企画)です。著者は日本一の診療所激戦区と言える新宿駅において来院患者数No.1を誇る新宿駅前クリニックの蓮池林太郎院長。発売を記念してこれから求められる診療所の戦略についてお聞きしました。


蓮池林太郎
医療法人SEC新宿駅前クリニック院長

ネット集患しないのは「宝の持ち腐れ」

この1年間、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るうなかで、診療所にとってはマイナスの風が吹いていると言えます。とくに小児科や耳鼻咽喉科、都会のターミナル駅近くで開業されている先生方はお困りのことだと思います。
一方で、COVID-19の影響で、開業を見合わせた医師も少なくないと聞きます。もっとも開業抑制の流れがいつまでも続くわけではなく、COVID-19が一定の収束を見た後には、増えていくはずです。これから、診療所の数は増えていく一方で、少子高齢化の進展もあり、診療所を受診する患者数は減っていきます。

マクロで考えれば、診療所1カ所当たりの患者数は今後減っていくことになります。分母が大きくなり、分子が小さくなるのですから、当然です。そしてそれは、診療所が「競争社会」となる可能性を秘めています。

たとえば、都会の鉄道中心の地域の住宅街では、一般内科の診療所は、徒歩10分前後の範囲が診療圏となりますが、新興住宅街を除いて競合も数件はあるのが一般的でしょう。数ある診療所のなか、今後減っていく外来患者さんから選ばれるためには何をしたらいいのか。それを示したのが、『競合と差がつく診療所の経営戦略』です。
ここにはもはや不可欠となったインターネットによる集患のほか、規模の拡大あるいは分院展開を含めた事業拡大の方向性、誰もが頭を悩まされる人材マネジメント、経営理念に至るまで、開業医、あるいはこれから開業しようという先生方が知っておくべきことを、厳選してまとめました。

このなかで、真っ先に取り上げているのは、ネット集患です。私はよく「ネットは現代の鉄砲である」と唱えています。戦国時代を終息へと導いたのは鉄砲でしたが、インターネットはそれと同様の「新型兵器」だという意味です。ネット集患に注力しない診療所は、鉄砲があるのに使わない「宝の持ち腐れ」状態ではないかと思うのです。

「鉄砲」をうまく使い新規患者を獲得する

診療科目や領域によって多少の違いはありますが、現代の日本では、多くの人がスマートフォンを使って受診する診療所を探しています。

とりわけ新規開業の場合、受診のきっかけは「たまたま診療所の前を通りがかる」か、スマホで「インターネット検索」か、この2つにほぼ限られてきます。「口コミ」の重要性が言われますが、そもそも「口コミ」は受診した患者からの評判の連鎖であり、新規開業の場合は期待できません。
であるならば、ネット検索でできるだけ上位に表示されるよう、対策をとることが、患者増につながるはずです。それがSEO対策(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)であり、MEO対策(Map Engine Optimization:地図エンジン最適化)なのです。

診療所の数が多い激戦区である都会であれば、ネットでの検索順位が与える影響は大きいと言えます。「鉄砲」であるSEO対策、MEO対策をうまく使えるかということが、新規患者数を左右すると言っても過言ではありません。それがうまく使えなければ、閉院・廃業の道をたどることもあり得るのです。
ここでは詳しく触れませんが、書籍では、SEO対策やMEO対策を含めたWEBマーケティングの具体的なやり方や注意すべき点も、丁寧に解説しています。

分院展開は難易度が高い

人材マネジメントに関しては、なんといっても重要なのが「採用」だと思います。自院に「合わない人」も理念の共有や教育次第で合わせられる、あるいは成長させられるという考え方もありますが、私には生産的だとは思えません。「合う人」だけを採用することこそが、診療所にとっても、また求職者にとってもいいことではないでしょうか。
求人もまた、もはや紙の媒体ではなくインターネット上で行われています。ミスマッチを避けるため、私は診療所のサイトの求人ページに、「どのような人材を求めているか」「どのような方は求めていないか」を、はっきりと示しています。

さらに、当院では本採用の前に1日体験やトライアル勤務を行っています。この場で、お互いに「合う・合わない」を判断するのです。ミスマッチを防ぐために、結婚前にカップルが同棲してお互いのことをよく知っておくというのと同じです。
人材のマネジメントに関しては私の数多くの失敗談も掲載しています。同じ失敗をしてもらいたくないので、ここも読んでいただければ役に立つと思います。

このほか、拡大戦略についても、考え方を紹介しています。「自院拡張」か「分院展開」かについて言えば、私は自院拡張派です。分院を展開するには分院長を雇用しなければならず、さらに自身の目が届かないところに多くのスタッフが働くなど、マネジメントの難易度が高いと思います。
ですから私は、地域のニーズを考えながら、自院の機能を拡張する方向で、これまでやってきました。その集大成が、この本に表現してあるということなのです。
(『CLINIC ばんぶう』2021年4月号)

強豪と差がつくクリニックの経営戦略
『競合と差がつくクリニックの経営戦略 Googleを活用した集患メソッド』
蓮池林太郎(新宿駅前クリニック院長)著
体裁:A5判・並製、176ページ
定価:2,420円(税込)
発行:株式会社日本医療企画
日本有数の激戦区で1日100人以上の新規患者を集める人気クリニックの院長である蓮池林太郎先生が実践してきた、WEBマーケティング、人材マネジメント、経営戦略と戦術をすべて披露した一冊。経営戦略の根本となる考え方から、すぐに使えるネット集患のテクニックまで、すべての診療所経営者が手元において繰り返し読みながら、使っていただきたい一冊です。

著者紹介

はすいけ・りんたろう●1981年生まれ。5児の父。医師、作家。2006年帝京大学医学部卒業。国立精神・神経センター国府台病院臨床研修、国際医療福祉大学三田病院勤務を経て、2009年新宿駅前クリニックを開設。2011年医療法人社団SECを設立。開業医向けにクリニックコンサルティングを行う。著書に『患者に選ばれるクリニック クリニック経営ガイドライン』(合同フォレスト)、『なぜ、あなたは結婚できないのか 医者が教える幸せな結婚』『これからの時代の幸せな生き方』(いずれもセルバ出版)などがある。

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