院長婦人はコンサルタント
第104回
スタッフが次々とコロナに感染
盆踊りどころかてんてこ舞いに
今夏も例年どおりの暑さにげんなりする日々……。当院のある新潟県某所は花火大会で全国的に有名。今年は週末と重なり、34万枚のチケットも完売だったとか。花火大会からお盆休みに向け、田舎が最も活気づく期間である。
そんな浮かれ気分でいたら、早速トラブル発生!育休から戻って来たスタッフの赤ちゃんがコロナ陽性。お世話を頼んでいた祖父から感染したらしい。
一日間を置き経過観察させたが、幸いスタッフ自身は抗原検査陰性で、月初の忙しいこともあり半日出勤を頼んだのが運の尽き。その日(8月2日)の夜、スタッフ自身も熱発したと連絡が入った。翌日はスタッフも休ませ、花火大会2日目の土曜日は半日診療。例年、花火大会の2日間は開店休業状態になるので「大丈夫だろう」と思っていたが、なぜか今年は普段どおりに患者さんが来院される。どうにか診療を終えて花火大会を楽しんでいたら、今度は、検査スタッフから体調不良&コロナ陽性の連絡が入った。
翌8月4日は日曜日でボーっとしていたら、今度は別の受付スタッフからも体調不良&コロナ陽性の連絡。週明け月曜日(8月5日)からの対応を院長と考え、とりあえず月曜日は休診にした。
困ったのが、予約患者さんへの対応だ。予約を移動させるにしてもお盆前後はすでに予約フルフル状態だし、8月5日からの1週間の診療体制をどう構築するか、頭をひねりにひねり。
8月4日夕方、月曜日の休診案内をサマンサと院長で手分けして電話。とりあえず感染源の受付事務スタッフと発症検査スタッフ、シフトが被らなかったスタッフのうち2人には月曜日午後に出勤してもらい、予約のとり直し作業にあたらせた。それ以外のスタッフは日・月・火曜日の3日間自宅待機とし、発症しないことを確認して水曜日(8月7日)の眼内注射患者さんを予定どおり受け入れる体制を整えた。
辛いのが、8月6日の火曜日だ。接触のなかった看護師2人、臨床検査技師1人、視能訓練士1人、受付事務1人にサマンサと院長を加えた“7人の侍”で診療にあたった。電話は留守電にしておき“現在大変混みあっております。後ほどおかけ直しください”と流しつつ、受付&入力&会計を2人で乗り切った。
お盆休暇直前のタイミングで駆け込み受診も多数、サマンサが「大変混みあっておりますのでお時間かかります。よろしければお盆休み以降でご予約いかがでしょうか」とやんわり言ったり、結構はっきりと言ったりした。それでも皆様、「待ってもいいから受診したい」とおっしゃる始末。集患に悩むクリニックが聞いたら怒られそうだが、かなり贅沢な状態である。
事務長サマンサは陣頭指揮を執りつつ、レセプトチェックをこなしつつ過ごしている(おまけに、今日も何とか時間を捻出してこの原稿を書いている)。
数年前のコロナ真っ盛りのときにスタッフが感染したというと地域から“バイ菌”扱いされていただろうが、それがなかっただけでもヨシとしたい。何とかこの数日を乗り越え、お盆休みに突入したいと願うサマンサであった。(『CLINICばんぶう』2024年9月号)