院長婦人はコンサルタント
第103回
Z 世代とどうつき合う?
リスキリングの必要性を痛感
7月に人って一気に梅雨明けか!と思ったら、新潟はまた梅雨空が戻ってきて、サマンサの意欲も一気にダウン。本来なら7月1日に育休スタッフが復帰し、心機一転、新たな気持ちで業務に邁進――のはずだったが、6月末からジェットコースターに乗っているような数日間が続いた。
発端は、6月最後の金曜日のことであった。Z世代スタッフから始業時間をとっくに回った9時半過ぎに着信があり、電話に出ると「今日は具合が悪いのでお休みさせてください」との連絡。始業時間は過ぎているのに緊急性は微塵も感じられず、とりあえず具合を確認し受診するよう伝え、それから、「もっと早く連絡するように」と注意した(初めてではなく数度目の注意だ)。
急いでクリニックの受付に連絡を入れると、問題のスタッフはもちろん出勤しておらず、おまけに電話連絡もしていなかった。それでも他のスタッフは、「サマンサには欠勤連絡が入っているだろう」と思っていたらしいが……。
自宅作業中だったが急いでクリニックに向かい状況を確認し、産休代理スタッフに昼休みに確認したところ、彼女のもとには朝8時過ぎに「遅刻するかも」との連絡があったので、事務長に遅刻連絡を入れるよう促したらしい。遅刻の原因は、「前日にショックなことがあって気分がのらなかった」とか。そのショックの原因は彼氏のことらしく、それを聞いて呆れてモノも言えないサマンサ。
そういえば、GW明けも欠勤し、そのときも連絡は始業時間ギリギリだったので、欠勤連絡は朝の早い段階に行うように注意するとともに、体調管理の徹底についても伝えていた。
勤務から半年未満で有給もないのに、月に2、3日は欠勤していたZ世代スタッフ。事務長として、従来の常識を超えた人材対応のリスキリングが必要かもしれないのかなと思う……。
受付スタッフのモンスターリーダーの退職勧奨にともない新たに雇ったスタッフだったが、肝心の新リーダーになってもらうべき人材は育休中。残りはパートと育休代替要員で、改めて“リーダー不在”の弱みが露呈した形だ。
Z世代スタッフが欠勤したのが金曜日で、土曜日も欠勤の匂いがブンブンだったが、3人のパートのうち1人が出勤できると何とかスタッフを確保。そして顧問社労士にも相談して、これはもう雇用継続は難しいと判断した。
土曜日に問題スタッフが出勤した場合は社労士に対面で、欠勤したら電話で退職を促してもらうことに決まった。社労士は「ごねられたら……」と懸念していたようだが、大方の予想どおりあっさりと自己都合退職となった。
これまで何度もスタッフ退職に対峙したが、やはり後味は悪く、引きずってしまう。一連の展開を7月から復帰予定の新リーダーに話すと驚かれ、彼女からも予想外な報告があった。彼女の祖母が金曜日にお亡くなりになり、復帰早々、忌引きのお願いだった(汗)。
最近よく耳にするリスキリング。変化に対応するマインドのリスキリングを改めて迫られる、サマンサであった。(『CLINICばんぶう』2024年8月号)