院長婦人はコンサルタント
第102回
自動化、省人化すれば
Z世代から解放されるかな

新緑まぶしい6月に入り、眼科は学校検診の患者さんで賑わっている。チェック用レセプト印刷を新人スタッフに頼んだ際、紙づまりトラブルが原因でプリンターを壊された事件から、1ヵ月。その記憶がまだ生々しい5月末のチェック用レセプト印刷にピリピリしていたサマンサ。また新人に何か壊されては「たまったものでない」と案じていたら、またまた、新人スタッフはやらかしてくれた!

5月データを保留しておくフォルダーをレセコンから消してしまったらしい。このフォルダーは子機PCと連動しているのでちょっと焦ったが、ここで注意の仕方を間違えると「自信をなくしたので……辞めます」と言われるとたまったものではない。いつからスタッフに注意をするのに、ここまで気を使わなければならなくなったのか!?

改めて、Z世代の取り扱いに四苦八苦するサマンサ。気をとりなおし、まずはベンダー担当者に電話させた。プリンター事件後の話し合いで、あまりにも“夢見る夢子ちゃん”のZ世代スタッフに、超スモールステップでわかりやすく問いかけをして考えさせたせいか、特に問題にならず無事解決。

また急に辞めたくなるかもしれないので、とりあえずハローワークには求人掲載したまま。残念ながら全く問い合わせはないが……。タイミングが合わないのだろうか。
並行して、自宅の引っ越しに向けて行動中。とはいえ、なかなかピッタリの物件にめぐり合えない。決まりかけたと思ったらご破算になり……。これって、スタッフ採用にも通じる気がする。
今までの経験上、スタッフ補充のためにハローワークはもちろん、人材派遣会社や専門学校を回っても、タイミングが合わないと就職希望者にはめぐり会えない。反対に、“ふとしたタイミング”で簡単に決まることも。どんなにスタッフ配置を計画的に進めても予想どおりにはならないことが多い。切羽つまったときは神仏にお願いするが、効果のほどは、疑問。やはり、省人化に努めなければなと思う。

実は、当院のそばの橋脚が数年前から、毎年、半年間にわたり補修工事を行っていて、それにともない、日中は通行止め。その橋脚から延びる道は市民の生活道路となっているため交通量も多く、沿線にはそれを見込んでコンビニやラーメン店等があった。だが、橋脚補修工事&通行止めの影響で営業不振となり、次々と閉鎖へと追い込まれた。

そんななか、コンビニ跡地に全国展開する某スポーツクラブができ、サマンサは入会案内でももらおうと入ろうとしたが、会員証QRコードをかざさないと扉が開かないシステム。ガラス越しに見ると常駐スタッフはおらず、利用者1人が見えるのみ。まさしく、徹底した省人化!!クリニックの受付&会計&予約も今後は、自動化・省人化へ向かうのだろうか?

Z世代の新人に振り回されることをきっかけに、今後は、窓口業務の自動化・省人化に向けた対策が必要かなと。それにしても、7月の育休スタッフのカムバックまで、何としてもZ世代新人スタッフをつなぎとめておかないと……と思うサマンサであった。(『CLINICばんぶう』2024年7月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。

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