院長婦人はコンサルタント
第107回
ドタバタしながら何とか
自動化・オンライン化に着手する

実は、今号の執筆は難儀していた。10月末からスケジュールは空いていると思っていたら、何となくいろいろ注文が入り、結局、時間がとれず気ばかり焦って空回りだった。

10月末の水曜日、たまたま手術が入っていなかったのでスタッフミーティングに充てた。年明けからもう一人の事務スタッフが産休に入る予定もあったり、検査と診察の回し方の確認も改めてしたかったし。前から抱えていた朝一番の予約枠がいつもパンパンなうえに、どうしても早めに診察しなければならない症状の方もいるし……。加えて、予約外の方も重なったり、場合によっては予約患者さんが押せ押せになりお叱りを受けること多々。たぶん、どこのクリニックでも頭を抱える問題だと思う。
それに加え、なぜか時間があるだろう高齢者も早めの時間(できれば病診連携室が連絡可能な)で受診してほしいが、診療終了間近になって来院したり。来てくれた患者さんはすべて診察するという院長の診療スタイルでは、ついに立ち行かなくなってきたような気配。自動化&オンライン化&時間を絞っての電話対応等々対策しようとしているが、果たして、どれが正解かなんて知る由もなく……。

とりあえず朝の9時~9時半の枠は事前予約数を減らして、緊急予約と予約外来院の余力に空けておこうということに。オンライン予約導入後、順次運用したいと思っていたが、すでに向こう数カ月間の朝一番の人気枠はすでに埋まっていたりで、なかなか即効性は期待できず……。とはいえ、コツコツやっていくしかあるまい。
視能訓練士の手がとられるコンタクトレンズ初診患者さんの検査やコンタクトレンズ装用練習は、同じ日に複数人が重ならないように予約枠を事前に工夫したり、後発白内障のレーザーは当日ではなく後日に予定を組んだりetc.

特に問題があったのは、近々運用するオンライン予約に伴い、できれば“受診時に次回予約を対面で取る”&“オンラインで予約を取る”に絞りたいが、いかんせん高齢患者さんでは難しそうで。とはいえ、以前にも苦しい胸の内を吐露したが、電話対応ほど事務スタッフの手が取られてしまうものはないので、折り合いをつけて電話可能時問帯を設定することに対し、看護師たちが難色を示していた。
やはりみんな職分で、困ってる患者さんを何とかしたい!という想いは一緒だが、いかんせん、人手不足の時代ではどこかで折り合いをつけないわけにはいかず。看護師たちには「とりあえず運用しながらまた様子をみよう」ということで納得してもらったが……。

自動精算機&予約システムも業者が決まり、今秋からデータの移行等も含めた作業に入ってくる。最初から完璧に運用できるなんて思っていないし、実働しながらカスタマイズし最適化できればいいと思っている今日この頃だ。
そんななか、看護師から「ちょっとお話があります……」の一言が?この一言がどれだけサマンサの心臓に悪いか、読者の皆様にはおわかりだろう。結論を言えば「もう一人バートの看護師を増やしてほしい」ということであったが。さて、サマンサどうする??この顛末は次号へ続く。(『CLINICばんぶう』2024年12月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。

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