院長婦人はコンサルタント
第79回
初夏早々やってきた課題は
光熱費対策に異臭騒ぎ!?

毎年、夏の始まりに真剣に思うこと……「今年は、マジ暑い!」。昨年も一昨年もそう思っていたが、今年は別格の暑さ!!当院が開院した2006年は、7月に入ると雨が続き、近くを流れる一級河川信濃川の堤防が決壊しそうでハラハラしていた気がする。しかし、一転して7月末日はすっきり晴れわたり、抜けるような青い空の情景は、今でもサマンサの目に焼きついている。あれから16年、開院日(8月22日)が近づくと気持ちを新たにしたくなる。

ただ今年は、新型コロナウイルス感染症に加えて世界的なエネルギー供給不足のため、暑さ・熱中症対策に頭が痛い……。エアコンは常時運転だが、感染対策で玄関扉の開放時間も長く、当然、冷房効率は悪い。光熱費が跳ね上がるのは覚悟しているが、少しでも対策せねばと、エアコンのフィルター掃除を頼み、スタッフにも27~28度設定を指示している。
また、待合室から撤去されてしまった自動販売機の代替として設置したウォーターサーバーは大活躍で、これは、設置して大正解。昭和が生んだ昭和の女・サマンサはエアコンに抵抗があり、自室である事務室は扇風機で奮闘中だ。

そんな対策を進めていたつい先日のこと。いつもどおり事務仕事をしていたサマンサの嗅覚が、急になぜか焦げ臭さを感知。食べ物焦げた匂いではなく、プラスチックが溶けたような不快な独特臭!それも、人気のない手術リカバリー室から!
「この暑さで電気系統の配線がショートしたのでは!?万が一出火したらすぐに火の手は広がり、あたりは火の海に!!」と危機感MAXのサマンサ。手の空いていたスタッフと院長も呼んで確認させたが、やはり2人とも同見解。天井も空気孔を数カ所開けて確認したが、どうも匂いはそこからではないらしい……。
まずは、火災保険に加入している警備保障会社に連絡を入れて指示を待つ。到着した警備担当者にも確認してもらったが、さっぱり原因がわからない。まだ出火しているわけではないため、119番通報もできないし……。
右往左往しながらも、次の一手は、当院施工の建築会社の担当者に配線の確認をしてもらうこと。やってきた担当者が点検口を上ってさらに屋上もチェックしたが、特に怪しいところはない……。ほとほと困り果てたが、クンクンと壁伝いに匂いをチェックした結果、ついに黒幕が判明!
なんと、リカバリー室に置いてあった電子レンジ!ふたを開けたらすごい焦げ臭が!!確か、約10年前に購入したもので、スタッフをはじめサマンサや院長も昼食の弁当をチンできるようにと、皆の共有スペースであるリカバリー室に設置していた。
経年劣化もあるが、コンセントのつけっぱなしが原因らしい。診療所は夜間無人になるのでレンジに限らず、使わない電源は抜いておくに限ると猛反省……。

電子レンジは、とっとと不燃ごみの袋に入れて次の市のごみ収集に出すつもり。院長もホッとしたようだが、サマンサはホッとする以上にハラハラドキドキで疲れ切って、その日の午後は使い物になりませんでしたとさ……。(『CLINICばんぶう』2022年8月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。

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