院長婦人はコンサルタント
第77回
年月を重ねて内外の設備も
お手入れの時期?

さて、ゴールデンウイーク(GW)も無事終了し、通常診療の日々が戻ってきた。毎年のことだが、大型連休中の平日診療は意外と患者さんが来院しない。当院のある地域は米どころのため、田植えという特有の一大イベントがあるし、またやはり、3年ぶりの規制なしのGWということで、お出かけした方も多いのだろう。

診療所のほうは、検査スタッフの入れ替えにともなう引き継ぎと落ち着かなさもサラリと過ぎ去り、今は平静を取り戻している。とはいえ、退職したスタッフが入職し新しい診療所も気になったのでちらっと見学へ。
とても大きな構えの診療所で「すごいな~」と感心しきり。ただ、新興住宅地なので近隣は若いファミリー層が居住して街の年齢層も若いだろうし、正直なところ、眼科はお年寄り相手だからなぁ……なんて、余計なお世話を焼いたり。ある程度古い地域が望ましいが、そういった地域ほど空き地はないわけで……。この場合、近隣の二次救急病院との連携を考えての立地だろうかと予想する。

また、この診療所以外にも、約1年半前に事業承継した診療所が当院の近くにある。承継にあたり、高齢者にも使いやすいトイレに改装しようとしたが、コロナ禍の影響で便器が入手できず、仕方なく以前の便器をそのまま使っていると耳にした。
こうした話は各方面であるらしく、某コンタクトレンズメーカーの営業マンなんて、マンションの浴室給湯器が故障し修理をお願いしたが、肝心の給湯器が新型コロナの影響で調達できないために修理の目途が立たず、「不自由を強いられている」とこぼしていた。

ちなみに、当院では久々に駐車場の仕切り線を塗り直そうと考えている。雪国特有の問題で、冬場は駐車場の雪を地下水で溶かすのだが、地下水に含まれる鉄分のせいで白線が黄ばんでしまい、挙句の果てにはペンキが剥げてしまう。前回引き直したのが3年前の建物の外壁塗り替えのときなので、そろそろ引き直してもらわなければならないが、大丈夫だろうか?「ペンキが調達できない」なんて言われたらどうしよう……。
新規開業の診療所を見た後だと、なおさらリニューアルへの思いは募る。昔の言葉に曰く、「畳と〇〇は新しいほうがイイ」というが、診療所の建物だって新しいほうが良いに決まっている。

そういえば、設備でいうと、開業以来入口に設置し、患者さんが待ち時間にお茶やコーヒー、ジュースなどを購入していた自動販売機も強制撤去の憂き目にあった。自販機もコロナ禍の影響で売上が減少し、不採算なものは順次撤去されている。聞くところでは、東京駅の新幹線のホームに設置してある自販機ですら、ピーク時の約半分まで落ち込んでいるらしい。
がらんと空いた自販機スペースはとりあえずカーテンで隠しているが、ここにも新しい飲料水アメニティーを設置してリニューアルしたい……。ついでに、スタッフの制服もリニューアルしようかな(「事務長」もリニューアルされないようにしないと……)

年月や時勢に合わせて、診療所内外もお手入れ必須!と気持ちを新たにしたサマンサであった。(『CLINICばんぶう』2022年6月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。

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