院長婦人はコンサルタント
第75回
コロナ禍の停滞感に
新たな風を期待

今月の新型コロナウイルス感染症の現況報告。ウイズコロナにすっかり慣れ……なんてことは決してない。先月からバタバタとスタッフの子どもたちの保育園で感染者が出て、子どもが濃厚接触者になり、スタッフもその家族なので欠勤となったり……。結局、地域内でぐるぐるめぐって感染被害が広がっていると実感。
一方で、来院する患者さんにもコロナワクチン3回目接種が進んできている。この調子で極力速やかに収束に向かってほしい。

皆マスク着用のおかげか、花粉症の受診患者さんも例年よりグッと少ない。おまけに、某気象報道会社からここ数年預かっていた飛散花粉探知ロボの申し込みも昨年12月が締切だったらしく、ちょうど院長の入院騒動で申し込めず……。自院の玄関に吊るされていたロボが今年は不在で、さびしい限り。
おまけに例年に比べ、新生活を機にコンタクトレンズ装用に臨む学生の姿も少ない。コンタクトレンズ会社は、「学校が休校等になると、初コンタクトレンズの学生が受診するのでは」なんて間違った予想を立てていたらしく、現場とのかい離に、サマンサびっくり!地域のどの学校で陽性者が出て学級閉鎖、休校になったのかはだいたい把握しているので問診時にチェックして該当学校の生徒・児童の受診希望の場合、日を改めての受診をおすすめしている。
やっぱり、田舎のほうが情報共有は早いし、対策可能な都市規模なので院内感染は防げているのだろう。とはいえ、あと半月もすれば春休みとなり、進学や就職による転居が始まると、状況は悪化に向かうかもしれない。

医業収入の減少回復への手がかりがないなか、個人事業主である院長の確定申告もあり、あれこれ書類を取り寄せていた。「事業復活支援金でも適用にならないか」と経理事務所に問い合わせたが、すげなく「無理」と言われた……。悲しむか喜ぶか微妙~だが、今後の患減次第で適用になったらいやだなぁ……という危機感も感じている。

話は変わるが、昨年末にパート事務職さんの母親のお通夜に参列した。コロナ禍もあり参列すべきか悩んだが、スタッフの意向は参列希望だった。とはいえ、参列者も少ない家族葬の出席でアウェー感満載の違和感ありあり……。
今度から、会社・診療所としての参列等は控えようと思っていたら、別のスタッフの祖母も亡くなられ、これを機に、皆に今後は葬儀等には参列しない旨を伝えた。新型コロナをきっかけに、冠婚葬祭といった人生のセレモニーも簡略化されていくのだろう。

また話は変わり、前号でもお伝えしたスタッフの退職にともなう新人採用はどうにか自途が立ち、ほっとしている。視能訓練士の国家試験も2月に終わり、「多分、合格らしい」と報告も受けた。3月末ごろから勤務に入ってもらう予定だが、こんな時期の新人雇用は不安でもあった。しかし、すべてにおいて停滞しているので、新しい風を入れるってことも必要かなぁと納得している。

早く春になって新人が新しい風を運んできてほしいなぁ……と、ちょっと前向きモードのサマンサであった。(『CLINICばんぶう』2022年4月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。

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