院長婦人はコンサルタント
第69回
人生100年時代のロールモデルを考える

夜には虫の音が聞こえ、すっかり秋っぽくなったと思ったら、ここ数日、夏のような暑さが戻ってきたり。気温差で体調を崩してしまう。新型コロナが落ち着かない今、不覚にも夏の疲れの体調不良で風邪っぽいなんて言ったら、大変なことになる。体調管理は、より慎重にせねば。

現在、来院時の問診でコロナワクチン接種の有無を聞いているが、高齢者は自分がいつ打ったか忘れるくらいの高い接種率。
9月に小中学校も始まり、子育てスタッフもやれやれと一息ついているが、今年はちょっと感じが異なる。スタッフの子どもたちが通う保育園で、新型コロナ感染発生疑惑の連絡が入り、ギクッとすること複数回。ニュースで若年層や家庭内感染が報道されているが、「ほんとだなぁ」と実感する。

園児たちに“黙食”なんて不可能だろうし、マスク着用だって怪しいものだ。小中学校の眼科検診も、来院する子どもたちもほぼほぼ鼻マスク。ついでに、高齢者も鼻マスク率が高く、なぜか診察室の細隙灯検査でマスクを外そうとする患者さんもおり、慌てて院長が「マスクしたままで」と言うことたびたび。ウレタンマスクは若い人に多いが、布マスク率は幼児と高齢者が高い。

本稿でも時折触れていたが、サマンサ運営のミセスコンテストは8月29日、無事に終了した。8月最後の日曜日で、振り返れば予定を組んだ今年の年明けごろ、まさか8月まで新型コロナを引っ張っているとは予想もしていなかった。お盆の帰省や音楽フェスなどもあり、8月後半からは新潟県の感染者数も増えてきて……。

毎日の感染者報道を複雑な思いで見ていたサマンサ。新潟大会数日前に無観客の判断をして、チケット払い戻しとなりましたとさ。審査員と関係者が見守るなか、急きょインスタライブで配信し、会場に来られなかったファイナリスト応援団も配信を見てもらった。
今大会の目玉は、何といっても99歳のファイナリスト。サマンサ自身も、ミセスコンテスト日本グランプリと世界大会受賞後に取り組んできた、各地での講演活動「人生100年時代へのヒント」をまさしく体現する方のご参加で、大会は大いに盛り上がった。

さすがに14cmのハイヒールは無理だが、それでも数cmのローヒールを履いて軽快なランウェイをご披露。45秒のスピーチはさすがの感動もので、会場からは(少ない人数だったが)大きな拍手が起こった。大会後は、新聞やメディアで取り上げていただき、大反響に主催者もうれしい限りである。

2025年問題、2040年問題と、日本は超高齢社会をひた走っているが、人類未体験の高齢社会をどう生きるかを、医療の立場はもちろん、社会的風潮や個々人のマインドという観点から考える時期にきていると思う。認知症サポーターの浸透も大切だが、幸せな人生100年時代のロールモデルの発信も必要。

大会後は、レセプトチェックと診療所の植栽の草取りで忙殺されたが、落ち着いたら、“ゼロから始めるドブ板集客”の電子書籍執筆をしようと思う。こんな感じで懲りずに雑草魂全開のサマンサであった。(『CLINICばんぶう』2021年10月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。

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