院長婦人はコンサルタント
第68回
熱中症とワクチンで思う
アクティブ高齢患者対応

7月末、レセプト前にどうしても決着をつけておきたかった仕事……。診療所植栽の草取り。通勤途中、当院を通過するたびにどうしても雑草に目がいくことしきり。夕方、受付嬢の業務が片づいたら、ジャージにゴーグル&手袋を装備し、いざ植栽へ!!

地元のシルバー人材センターに除草をお願いすることもあるが、手配の順番がくるよりも雑草の成長スピードが勝ってしまう。そこで仕方なく、事務長自ら草を刈る。どんなに気をつけても蚊には刺され、除草後はあちこちかきむしってしまうくらい。それが嫌なので、虫よけスプレー+蚊取り線香を周囲2カ所に置いて完全対策。
腰を据え順調な進捗具合であったが、最初は出ていた汗をかかなくなり「変だなぁ~」と思い始める。暗くなったし今日はこれくらいで勘弁してやろうと、事務室に戻ったあたりからは身体が動かなくなり……、気持ちが悪くなり……、しまいにはめまいも始まり……。ちょっと休んでいたが運転も億劫で、ついに一足先に帰宅していた院長に「迎えに来て」コール!
お察しのとおり、熱中症でした。人生初の体験で、こんなにキツいとは思ってもみなかった。

白内障手術後の高齢患者さんが診察室でよく「いつ草取りしたらいいか」「畑に行っていいか」と院長に確認している。当然、院長は行かないように言っているが、守ってない患者さんも多いだろうねぇ……(術眼の保護もあるけど、この時期は熱中症になっちゃいますよ)。余談だが、術後の質問で多いのが、畑&除草作業とプールに行っていいかの確認。今の高齢者は本当にアクティブだし、2025年問題と「人生100年時代」を考えると、今後、もっとアクティブ高齢者は増えていくのだろう。

高齢患者さんといえば、新型コロナワクチンの接種もかなり進み、受付時の問診でワクチン接種の有無と時期を確認しているが、後期高齢患者さんに限れば、ほぼ2回接種済み。そのためか、以前より患者さん自身もかなり安心して通院していると実感する。スタッフ患者さん双方の接種率が上がると安心して対応できるので、経営視点からもありがたい。
一方、若年層の患者さんにはやはり、身構えてしまう。近くの小・中・高校でクラスター発生なんてニュースが報道されるとドキッとする。眼科は高齢患者さんが多いのでワクチン接種による受診への安心感があるが、小児科とかってどうなんだろう……。そこも科によって差があるのだろうと考える。

話は変わって、以前から午後の受付ハートさんをもう人募集していたが、さっぱり集まらない。やはりコロナ禍のせいか、就労年代の女性の働きたい意欲はイマイチなのだろうか。こんなところも新型コロナのせいにしていれば何となく納得するが、今後の展開を考えると、サマンサ的に対策を打たないと!

友人の美容室経営者が、高卒のリクルートで「美容学校の奨学金を負担する」というと求人が集まると言っていた。当院も医療事務の資格取得補助を出すことにして人材を募ろうか……。「何でもかんでもコロナ禍のせいばかりにしていられないわ!」と、気持ちを奮い立たせるサマンサであった。(『CLINICばんぶう』2021年9月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。

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