院長婦人はコンサルタント
第67回
コロナ禍の新ターゲット開拓に
医療関連企業も躍起

今号は東京オリンピック・パラリンピックの影響で早めの締切という担当編集者からのお達しを受け、レセプトの合間を縫って執筆中。オリ・パラはいったいどうなるか?多分、本号発行時にはわかっているのだろうが……(占い結果待ちの心境)。

世間では、新型コロナワクチン接種が着々と進んでいるが、先に接種済みの医療関係者は集団接種をサポートし、お国のために頑張る意気込みだったが、担当医師会からは連絡なし……。サマンサも誘導とか問診票対応、高齢の接種希望者の服を脱がせたりするお手伝いと意気込んでいたので、ちょっぴり肩透かしを食らった感は否めないが、実は、とっても納得するお話を聞いた。

ご存じのとおり、観光業界は大打撃。そこで仕事がない旅行会社さんは、観光組合から集団接種会場の誘導をあっせんされている。少し立ち寄ってくれた旅行会社員さんがあまりにも日焼けしていたので聞いてみたら、このお話。
炎天下の屋外での誘導なんて一日中立ちっぱなしだし、体育館での接種もエアコンなしで暑くて仕方ない。確かにサマンサも、「炎天下で誘導してください」と言われていたらどうなっていたことやら……医療行為でなくとも、サポート業務を通じて困っている業界にお金を投入するほうがイイわ。

さらに、接種が終わり1カ月ほど過ぎたので、やっと院内勉強会も再開。コロナ禍でリモートワークなどが増えたことによるセルフメディケーションの需要増を受け、眼科系製薬メーカーもサプリメントの販売強化に取り組んでいる。依然としてサプリメントに懐疑的な先生もいる一方、製薬としてはこの市場を無視できない。
簡易アンケートで普段気になることを挙げてもらい、生活習慣に関心を持つことで健康維持のためサプリメント購入につなげる狙い。メーカーはまず女性ユーザーを取り込みたいらしいが、足がかりであるアンケートの項目がどうもオヤジ目線で気になるサマンサ。
項目に「タバコを吸う」「脂っこいものが好き(エビてんぷらの絵)」「紫外線をよく浴びる(太陽の下運動している絵)」ってあるけど、ターゲットにしたい女性(特に美容健康の感度が高い)がタバコを吸う?脂っこいもの好き?日焼け対策しない?「どうしてこうもズレているのか」と頭をひねってしまう。「お肌のハリが気になる」「運動不足が気になる」「食事のバランスが気になる」などがあれば、女性も興味がわくと思うのだが。

サプリ以外にも、コンタクトレンズも新製品の発売を受けて、視能訓練士とメーカーさんの院内勉強会を実施。コロナ禍でコンタクトレンズを使用せずメガネですごす人が増えている。その影響での売上減を受け、コンタクトメーカーも起死回生を図っている。
データを見ていると、ユーザーの二極化がさらに進み、WEBで安価な商品を求める層と、目の健康や商品の安全性を重要視する層の二極化が著しいらしい。WEB販売やレンズ量販店との差別化をどう際立たせようか?

変化や未知を避けて現状を守ろうとする“現状維持バイアス”をどんな形であれ打ち破らないとかなぁ――と呟くサマンサであった。(『CLINICばんぶう』2021年8月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。

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