院長婦人はコンサルタント
第66回
事故って実感した
アナログ対応とこれから

ちょうど1カ月前、サマンサの身にとてもショックなことが。レセプトも終わり、データCDと直した返戻を入れたレターパックをポストへ投函。「やれやれ、今月もよかった」と安堵し、郵便局から愛車をバックで動かそうとした途端、罵声が飛んできた!!

わぁ!と思った瞬間、停車中の車にぶつかったらしい。私が停車したときはお相手の車はなかったのに、戻ってきて発車しようとした絶妙なタイミングでサマンサの愛車後方に停車したらしい。

ぶつけた瞬間、頭は真っ白!おまけに土曜日で、午前診療終了後に新型コロナウイルスワクチンの2回目の接種を済ませたばかり。ワクチン接種後は観察の意味も含め、「どうせ動けないならレセプトを仕上げて帰ろう」と算段していた、まさにその日である。

幸いけがもなく、決して大きな事故にはならなかったが、とりあえず警察を呼んで事故処理し、お互いの連絡先も交換。現場の郵便局は自院の近所、おまけに事故の相手は何となく患者さんのようだし……とてもバツが悪い。まぁ、サマンサのほうが悪いので、「すみません」と何度も頭を下げ、あとは損保会社にお任せすればいいわけで、その場は何とか収めた。
損保会社に連絡したいが、土曜日だったためいつもの担当者と連絡が取れない。仕方なくコールセンターに電話したが、ナビダイヤルでなかなか人間のオペレーターにたどり着けない……。紆余曲折を経てリアルな人間につながり正直ホッとする。そんな経験から、コロナワクチン接種をコールセンターで予約する場合、高齢者が苦戦すると言われていたが、本当に大変だろうと改めて感じた。

当院の診療予約はといえば、アナログ感満載の電話受付だ(ネット予約もあるが、コンタクトレン患者専用)。高齢者にとっては、リアルな受付とのやり取りこそがあって当たり前で、なければ予約ができないほどの大切な行為。なかには、耳が遠くて何度も聞き返したり、なかなか話が進まず受付が難儀したりする高齢の患者さんもいる。

ネット時代と言われるが、リアルな人と人のコミュニケーションは基本の“き”だと、アナログ世代のサマンサは思う。
一方、デジタルネイティブ世代にとっては、SNS等のネット上のやり取りが当たり前で、スマートフォンでも、電話機能(090や080で始まる番号での通話)を使うのは重要事項のやり取りという認識らしく、無料通話アプリを使うときはくつろぎながらつながりっぱなしという感じらしい。確かに、通話というリアルタイムでのやり取りは手間を取りすぎる感はある……(いまだにガラケー使用の絶滅危惧種的な中高年を見かけるが、あれは通話がメーンってことですよね)。

コロナ禍でネット利用が加速し、リモートワークも認知されてきた。診療所でもオンライン診療の対応が迫られているが、当院ではまだ先のことって感じ。ニュースを見ながら院長が、「俺もリモートで仕事したいなぁ……」なんてテレビに向かって茶化している。そうだね、当院はまだまだ「アナログ万歳!」って感じだもんね。アナログ感満載で、次号へ続く。(『CLINICばんぶう』2021年7月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。