院長婦人はコンサルタント
第65回
スタッフとの意識の齟齬に
“経営”の気を引き締め直す!

年末年始やGWは、レセプト担当の気が休まらない。今年のGWも、結局サマンサが合間に時間を見つけてレセプトチェック。レセコンにチェックソフトを使っているが、引っかかれば紙レセで発行して、それが結構な枚数になってしまっている。年々こらえ性がなくなり、目もショボショボし、本当につらい月初だ。

競合診療所が開業する以前は春から夏が忙しく、事務スタッフの残業時間も増えていたことから、サマンサ中心でレセチェックやデータ修正をするようにしていた。以来、サマンサに任せきり体制が続いたせいか、スタッフは紙レセ発行と同時にプリンターインクが切れたことに気づかず、かすれてプリントアウトされることも。いざというときに物品不備でトラブると、本当にやる気がうせる……。

先日も、そんな食い違い発生で“サマンサの喝”発令!!
当院では、毎年春に少額だが給与のベースアップをしている。今年はコロナ禍による患者減に鑑み、ベースアップを見送る。するとスタッフに「なぜベースアップしていないのか?」と質問された。驚いたが、でも「待てよ」と考え直す。
当院は患者減とはいっても内科、小児科、耳鼻咽喉科などに比べればどうにかもちこたえているし、昨年も通常どおりボーナスを渡せた。とはいえ、コロナ禍での患者減の影響は、外来の込み具合を見ればわかるだろうに……と、サマンサとしては思っていたのだ。予想外の反応に、これも良い機会と思い、スタッフに当院の経営状況や他科の状況を教えた。
彼女たちも患者数が減っているとは感じていたが、経営状況や給与に直結することにまで考えが及んでいなかったと判明しびっくりするサマンサ。よく「スタッフの気の緩みは経営の緩み」と言うけれど、サマンサが緩んでいたってことだよなぁ……。と、ひたすら反省。診療ファーストの院長はふむふむとうなずくばかり。「仕方ない、その分サマンサが目を光らせないと!!」と、気を引き締めた。

ただ、サマンサのエネルギーは今夏開催のミセスコンテスト新潟大会運営にも吸い取られている。実は、私が最も苦手とする「集客」にガッツリ向き合っているのだ。
開業3年目にできた競合診療所対策に、健康後援会を定期開催していたのを思い返す。競合対策で押さえておきたい地域のコミュニティー施設を借り、院長が緑内障の講演をした。この際も、会場決めから集客まで孤立奮闘だった。
当時はまだ紙の広報中心で、新聞に折り込み広告を入れてもらったり院内にポスターを掲示したり、会場近隣の患者さんに案内ハガキを送ったりした。それが今では、SNS中心のWEBを使った集客がメーンだ。

そこで、ますます必要になってきているのがファンづくりの重要性。健康後援会もミセスコンテストも、コアになるファンとのつながりがなければ集客は見込めない。ゼロから始めてまずは協力者を集め、一緒に目標や課題を共有し、他人事を自分事にしてもらうことが集客成功の第一歩である。
サマンサはコンテストが終わったら“ゼロからのイベント集客コンサルタント”になろうと真剣に考えている。(『CLINICばんぶう』2021年6月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。