院長婦人はコンサルタント
第62回
ついに始まるワクチン接種
地域医療の「明日はどっちだ!?」

サマンサは、決して筆が遅いわけではない。むしろ、普段は毎月書くことがあふれているのだが、今回ばかりは何もない!!イベントもないしリアルセミナーもない。地方では飲食店の営業時間短縮等のお願いはないし、特に域内であれば移動制限もない。それでも会合などもない(ないない尽くしだね)。

ただ、首都圏ほどではないものの感染者増を受け、ついに当院でも問診表の記載を更新することになった。今までは体調確認(例:鼻水やせき・くしゃみの有無、臭いがわかるか否か、風邪症状の有無など)がメーンだったが、今回はずばり、“新型コロナウイルスに感染したか否か”や、“感染者の濃厚接触者であるか否か”といった感じの文言に変更した。
人間、ストレートに聞かれるとさすがに嘘は書けまいと信じたい。それでも、虚偽の報告をした場合はあきらめるしかないが……。のちに何かトラブルがあった際、虚偽の報告をした証拠は残せるよね。

一方、あれだけ騒いでいたサマンサだが、100万円の支援金やスタッフへの支援金申請をお恥ずかしながら最近ようやく提出。前者は、条件が緩和されて家賃や地代にも適用されるようになった。当初は、新型コロナ対策としてマスクや消毒液、シールドなどが対象だったが、日々の細々とした領収書を準備するだけでも、正直手間だ。そんな言い訳をしていたために遅くなってしまったのだ……。医療従事者対象の新型コロナウイルスワクチン接種の希望も、間一髪で間に合った。いつもギリギリで情けない限り……。

ところで、新型コロナ発生後、医師会からちょくちょくFAXが届く。サマンサもそれには随時目をとおしているつもりだが、節穴っぽくて、まったく記憶に残らない。だが、先日ついに節穴を突き破る「新型コロナウイルスワクチン接種ご協力のお願い」についての連絡が入った。医師、看護師のほかに、問診票のチェックを兼ねる受付や接種後事後処理の事務員、場内場外の案内誘導員等「医療従事者以外にも多くの方々の協力が必要」と書いてあった。方法は個別接種、集団接種、高齢者施設への訪問接種の3パターン。

集団接種会場では、土日約8時間勤務、土曜日は病院医師、日曜日は診療所医師という体制を検討しているらしい。当然、当院の院長も協力するし、サマンサも微力ながら事務員として協力する。また、院長は高齢者施設への訪問接種も協力すると言っていた(さすがに自院に来てもらっての個別接種は、スタッフのことも考えて難しいと判断……)。強制はできないが、看護師ほかスタッフにも聞いてみたが、良い返事はなく迷っていた様子。当院の看護師は皆パートなので、難しいかなぁと思う。

ただ、スタッフとは反対に、院長はがぜんやる気が出たようで、「俺たちは早めに接種を受けるのだから、盾となって頑張らないと」と、地域医療を支えるという強い強い使命に燃えている。やはり、医療従事者としてテレビで流れる都心部の医療崩壊の様子を見れば「何とか協力しないとな」と思うわ。

まずは医療従事者の先行接種がら始まるので、サマンサリポートをお楽しみに!!(次号へ続く)(『CLINICばんぶう』2021年3月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。