院長婦人はコンサルタント
第59回
不透明な先行きだからこそ
「ヒト」への心配りが重要

先月入れ替えた新しいレセコン。レセプトチェックソフトとの連携がうまくいかず、月末のチェック用紙レセプトがぜ~んぶ印刷されてしまった!開業年数を重ねるにつれ、さすがにサマンサも以前より集中力を保ってレセプチェックできなくなってきた。チェックソフト導入以前は全部紙ベースでチェックしていたのが、はるか昔のことみたい……。

紙レセを見ていると目がショボショボし、近くが見えにくくて仕方がない。日本の超高齢社会到来とともに、老眼鏡使用者もますます増えるだろう(眼科には恩恵アリだろうか?)。新レセコンは安い買い物ではないので、9月末に引き続き10月末も、チェックレセプト印刷の業者に立ち会いをお願いした。今回は無事に印刷&レセチェックを終え、あとは修正しデータをCDに落として送るだけ。毎月のことながら、このCD郵送が完了した瞬間はほっとする。

そういえば最近、キャッシュレス決済のご案内とともに、医療事務派遣の電話が来るようになった。聞くと、まだ若い人でも短時間医事パート勤務を希望しているそうだ。若い独身女性なら、短時間でパートなんてことは普通あり得ないよな……と思うのは私だけ? コロナ禍で大手企業でも副業解禁した会社もあるらしいが、余剰人員を持て余しているということだよね? ICT利活用・リモート化で、通勤時間の短縮や業務の精査が行われていると聞くし。

その一方、医療機関では何をデジタル化し、何をしないかを見極め、捻出された時間を患者さんへのきめ細かい対応に使うべきだろう。当院なら何があるかな……。あえて言えば、来院患者さん全員に実施している非接触体温計をタブレット型の自動計測機に変えることくらいだろうか。

実は、今の「おでこにピッ」の体温計はとても測りづらい……。なぜなら、受付周辺を透明ビニールシートでぐるりと覆っているため、上下の隙間から腕を伸ばして計測しているからだ。背が低い子どもや高齢者、逆に高身長の人、あとはあまり近くに寄ってくれない人の「おでこにピッ」は大変難儀なのだ。また、これを機に、オンライン診療用のタブレットを購入しようかなとも思案中。

感染拡大防止支援事業をうまく活用する診療所もあるけど、実はサマンサ、こういうのが苦手……。「うちではこんなふうに支援事業費を活用しました!」なんてアイデア集を『ぱんぶう』でこっそり”袋とじ”企画でやってほしい。

コロナ禍で、人々の勤労意欲も下がっているらしい。たとえば、甚大な被害があった東日本大震災の際は、皆の願いは「復興」と明確だった。ただ今は、先を見通せない不安とニューノーマルという未知の時代に進む不明瞭さが、人々の心に影を落としている。
だからこそ、経営者はスタッフに対し経営理念を再度伝え、心配りすることがより重要になる。当院でも最近、サプライズで勤続10年を迎えたスタッフへお花と記念品(ネックレス)を贈った。本当は、診療所食事会の際に渡したかったけれど、この状況では仕方ない。でも、喜んでくれてよかったなあ。
コロナ禍の小さな幸せで締めて、次号へ続く。(『CLINICばんぶう』2020年12月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。