院長婦人はコンサルタント
学校検診に県外患者への対応 依然新型コロナに悪戦苦闘

7月も、まだまだ新型コロナ。連日、夜のニュースのトップは東京都内の感染者数。本当に気が休まらない。流石のサマンサもコロナうつになりそうだ……。

今冬から現在までの経緯を振り返ると、私たちは、新型コロナ以前の社会やライフスタイルには戻れないとわかるし、すでにあちこちで「新しい生活様式」という文言を目にする。過去の東日本などの大規模災害後は、以前の生活に戻るのを願っていたが、今回はまったく別である。

6月から始まった学校検診は体育館で実施。院長とサマンサ2人で、マスク&フェイスシールドはもちろん、白内障手術用使い捨てカバーオールを着用して臨む。とはいえ季節柄、検診後の院長は汗でびっしょり。児童・生徒たちもわれらの出で立ちにびっくり。
子ども用マスクを着け、体育館内ではソーシャルディスタンスを守って並んでいても、終われば楽しそうに群れていく児童の様子に、「密だなぁ……」と思ってしまう。例年は夏前に学校検診を終えるのだが、今年は9月まで持ち越し。どうなっていることやら……。

6月19日以降、全国を対象に越県移動の自由が解除された。それにともない、サマンサの地元でも県外ナンバーの車がちらほら散見される。実は、都内よりも地方で新型コロナを発症したらエラいことになる! どこの誰かはだいたい容易に特定されるので、その地域にいられなくなり、結局、転居する羽目に。だから、万が一にも感染することはできないのだ!!

しかし、先述の制限解除後は、県外移動の受診者も現れて……。受診者全員にお願いしている体調確認問診票の「2週間以内に県外への移動があったか?」の質問に引っかかり、申し訳ないが受診をご遠慮願ったところ、Googleの口コミに「患者を差別するひどい医師だ」と、辛辣なコメントを書かれてしまった! さすがの院長もショックの様子。

移動制限が解除されたとはいえ、すんなり受診OKとはいかない。院長は返信をどうするかと頭を抱えていたが、サマンサはスルーを提案。下手に返信し〝炎上〟なんてことになれば、数倍大変だろう。

また直近では、別の人から、「私が県外から来たことがわかるとスタッフは明らかに嫌な顔をした」との口コミも! これには、スタッフとも共有し対策を練った。
新型コロナのフェーズが変わってきたこと、今後も県外からの帰省患者さんが来ることも踏まえ、どう対応するか? 県外からの受診者であることの危機感は共有しなければならないが、それが相手に伝わるのは接遇としてまずい。スタッフ間で考えてもらった。

問いかけ方一つで、相手の捉え方は変わる。「○○ですよね?」と肯定形で質問するのと、「○○じゃないですよね?」では、明らかに前者のほうが印象は良い。
また、深く突っ込んで聞くべきかスルーすべきか、これも状況を見て判断すべきだ。スタッフ同士で考えた報告を受けて、それでやってみることにした。ただこれも、今後の新型コロナのフェーズ次第で変えていかなければならないが。
もはや、アマビエのお札でも院内に張ろうか……と、意気消沈のサマンサであった。(『CLINICばんぶう』2020年8月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。