院長夫人はコンサルタント 第一波は乗り切ったのか? 数字で表れる新型コロナの脅威

アフター・コロナ、ウイズ・コロナ──。年明けから始まった新型コロナウイルス感染症のパンデミック騒動も、新たな局面に。サマンサは感染症の専門家じゃないが、日々のニュースと自院の様子から、そう実感している。

振り返れば、GW前が一番ピリピリしていた。その後の5月25日、首都圏の緊急事態宣言解除の影響はこの地方都市にも波及している。事実、毎日新型コロナ関連のニュースを目にしていれば危機感をあおられ、気分も落ち込む。しかし、解除後は何となく気持ちが楽になったようで、サマンサの診療所にも患者さんが戻ってきた。ただ、それでも毎月の経理を見ると、5月の医業収入は前年同月と比べ2割弱減!! 3~4月は、どうにかほぼ同等の医業収入でとても健闘したと思っていたが……。

従来、GWのある5月は診療日数は少ないはずだが、小中学校の視力再検査で外来がにぎわい(1年ぶりの受診が多いため初診になる……。アリガタヤ、アリガタヤ)、ふたを開けると、そこそこの医業収入になっているのが、例年の5月。今年は、全国で休校措置が発令されるわ、解除されても分散登校になるわで、学校検診も二転三転と予定が立たず。そもそも、「学校検診を実施すべきか、否か?」は、当院単独では決められない。地区医師会に聞いてみたが、医師会とて「各担当の学校医にお任せします」と言われる始末。

かつての東日本大震災の際も、地震被害とその後の福島原発の放射能汚染という、目に見えない敵と戦ってきた。あのときも、患者さんはもちろん、スタッフの安全に配慮・対策して何とか乗り切ってきた。当時、手術中の地震の余波が心配で白内障の手術をしばらく延期したものだ。「万が一停電になったら」という備えで蓄電池を購入したり……。おまけに、福島から避難されてきた患者さんへと、〝災1〟公費負担への対応も……。

思えば、あれこれあったはずだが、今回の新型コロナは福島だけ、日本だけでなく、世界的な問題であり、今後来るだろう第二波、第三波におびえ、まったく先が見えない。当院も、オンライン診療等で初診患者さんも診察できるように体制は整えていたが、ふたを開ければ、高齢患者さんは予約の延期を希望し、次回来院までのお薬処方で済んだ。まあ、今後はどうなるかわからないけどね……。

最近の悩みは、前回紹介したとおり、飛沫感染防止用に受付をぐるりとビニールシートで囲ったせいか、熱がこもって仕方がない! おまけにマスク着用で、たまに頭がフラフラするときもある。今は来院患者さん全員に健康チェック記入と検温をお願いするため、受付の負担もさらに増える。2003年に世界で流行したSARSや、12年のMERS、そして、20年は新型コロナ……。これが過ぎたとき、元の生活に戻ることはあるのだろうかと、不安になってしまう。

一方、現実世界では3密を回避しなければならないが、インターネットの世界はコロナフリー。最近は、無人島に移住し仲間を増やして好きな空間で夢の暮らしを疑似体験するゲーム「あつ森」で、新型コロナなんか気にせず、のびのびと分院展開しようと思っているサマンサであった。(CLINIC ばんぶう 2020年7月号)

サマンサ●中学校の教師だったが、夫の開業をきっかけに診療所の事務長に就任。日本医業経営コンサルタントと医療経営士3級の資格を持ち、新潟県内の眼科専門診療所で院長夫人兼事務長として経営の舵取りをしている。