GEヘルスケアがコマンドセンターの構築を都立墨東病院で着手

2024/03/19更新

墨東病院「コマンド&コントロール(C&C)センター」

医療課題の解決に取り組むGEヘルスケア・ジャパン株式会社(東京都日野市)は、地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立墨東病院(東京都墨田区)と2023年12月にGEヘルスケアが提供するコマンドセンターの導入について契約を締結、今年4月の稼働を目指すと発表しました。

墨東病院は、三次救急医療を含む「東京ER・墨東」や周産期医療など複数の重点医療を担い、区東部保健医療圏(墨田区、江東区、江戸川区)を中心に区部全域を対象とした広域基幹病院としての役割を果たしています。

こうした中、2024年4月に始まる医師の働き方改革(時間外労働の上限規制の適用)を実施し、病院医療制度をさらに強化していくためには、医療DX を推進するデジタルシステムの導入が必要不可欠であると考え、コマンドセンター導入を決定しました。

コマンドセンターは2015年にジョンズホプキンス大学病院で初めて稼働し、その効果が実証されたことで世界各国での展開が広がっています。日本でも2021年に初導入され、コロナ禍を通じて施設はもちろん地域における医療提供体制の強化推進に貢献したとして知られています。

今回は、GEヘルスケアと墨東病院との協働により、現状認識に基づいた課題精査を行い、その解決に向けて必要な要件をシステムに適用していきます。
具体的には、新規も含めより多くの患者を受け入れ、適切な医療提供を行うことができるよう、まずは病床稼働率の改善に取り組みます。同時に、医療従事者の働き方改革を支援していきます。

システムの構築後も、新たな課題やニーズにより的確に対応するべく、引き続き施設と協働を継続し、医療従事者や患者が求める医療の提供をプロセスとして模索し、実現するよう取り組んでいくといいます。

墨東病院長の足立健介氏は、プレスリリースの中で次のように述べています。

「先に導入された淡海医療センター(滋賀県)では、『病床稼働率の向上』と『看護師総残業時間の削減』という二律背反の結果を生み出しました。『医療デジタル革命』と呼ぶにふさわしい事象で、既存の『業務改善』という思考停止ではなく、複雑性へ自在に対応できる自律性の創出を意味しています。システム導入だけでは決して実現できない成果です。コマンドセンターの導入が、DXの『X』の部分、トランスフォーメーション(変革)を組織に巻き起こす、強力なエンジンとなりました。当院でも、準備段階から既に『X』の萌芽が出現しています。私たちは、『コマンド&コントロール (C & C) センター』と命名しました。C & Cセンターはセンター・オブ・エクセレンス(多職種による叡智結集の拠点)として、当院にパラダイムシフトをもたらす無限の可能性を秘めています」

(文/ヘルスケア・マネジメント.com)

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