医師507名に「災害医療」に関するアンケートを実施
2024/03/15更新
事業場向け産業保健支援、医療人材総合サービスを提供する株式会社エムステージ(東京都品川区)は、同社が運営する「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」の登録医師のうち507名に「災害医療」に関するアンケート調査を実施しました。
調査日は、2024年2月20日から2月27日で、アンケートはweb上で行いました。
勤務先の災害対策について
勤務先で災害に備えるための研修や訓練を「実施している」と回答した医師は46.4%となり、5割近くの医療機関で災害に備えるための研修や訓練がおこなわれている結果となりました。
反対に、37.3%の医師は「実施していない」と回答する結果となりました。
勤務先の災害対策やマニュアル等の整備・周知状況については、「不十分である」と回答する医師は33.1%、「やや不十分である」と回答する医師は32.0%となり、6割を超える医師が「不十分」と感じている結果となりました。
「不十分」と感じる理由として「火災による避難訓練のみ実施され、それ以外は対応していない」といったコメントが見られました。
災害医療への関わりについて
今後の災害医療の関わり方について、「勤務先で活動が必要となった時は適切に関わりたい」(60.4%)、「勤務先以外における活動も含め、積極的に関わりたい」(14.6%)となり、75%の医師が災害医療に「関わりたい」と感じている結果となりました。
「関わりたい」理由としては「地域の医療人としての義務として」「災害医療への医師の関与は必須で、医師の評価を高める」といったコメントが見られました。
一方、「関わりたくない」理由としては、「自分の病院をおろそかにして、被災地医療まではできない。自分の病院を休診にできない」「家族を守ることを最優先にしたいため」「65歳を過ぎているので、必要性は認めるが、体力的に無理である」いったコメントが見られました。
災害医療に関わる医師の育成について
今後の災害医療に関わる医師の育成について、「救急医以外の医師も知見を習得すべき」(58.6%)という回答が最も多く、次いで「災害医療を専門とする医師を育成すべき」(21.9%)「救急科を専門とする医師が兼務で担うべき」(18.7%)が続く結果となりました。
「習得すべき」と感じる理由としては、「これだけ大規模災害が発生する時代。専門知識以外の部分は皆で手分け可能なようにしていくべき」「いつ、どこで、どんな災害が起きても慌てないよう、想定外の事態にも臨機応変に対処できるよう、日頃から訓練は必要」「多くの医療者が必要になる。いつ、震災が周囲に起きるか分からない」といったコメントが見られました。
(※)医師求人サイト「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」は、3万人以上の医師が登録する医師向け転職求人サイト、アルバイト求人サイトです。多様な働き方を推進し、医師不足・医療従事者の過重労働などの課題解決をめざしています。
(文/ヘルスケア・マネジメント.com)