明治HDと明治が乳酸菌研究成果発表および
「明治ブルガリアヨーグルト」発売50周年記念発表会を開催

今後もLB Bulgaricum社と乳酸菌に関する共同研究を継続、関係強化へ

 

向かって左から、パスツール研究所のイザベル・バックル上級副所長、川村和夫代表取締役社長CEO、ボグダン・ボグダノフ経済産業大臣、マリエタ・アラバジエヴァ特命全権大使

食品メーカーの明治(東京都中央区)や製薬会社のMeiji Seikaファルマ(東京都中央区)を傘下に持つホールディングス会社の明治ホールディングス株式会社(東京都中央区)と株式会社明治は12月4日、都内で乳酸菌研究成果発表および「明治ブルガリアヨーグルト」発売50周年記念発表会を開催しました。

オープニングで、明治ホールディングスの川村和夫代表取締役社長CEOがウェルカムスピーチを行い、「2023年12月、私どもの主力製品である明治ブルガリアヨーグルトは1973年の発売開始以来、50周年という記念すべき年を迎えることができました。いまや日本を代表するロングセラー商品として成長を続けることができましたのも本日お集まりいただきました皆様の日頃のご支援、ご厚情の賜物と心から感謝申し上げます」とあいさつ。

続けて「私が現在CEOを務めています明治グループの仕事を通じてブルガリア共和国とのご縁ができました。いうまでもなく、明治ブルガリアヨーグルトあってのことであり、そのおかげでブルガリア共和国名誉領事に就任させていただくこととなりました。この度の名誉領事就任を新たな契機といたしまして、明治ブルガリアヨーグルトをご縁に始まったブルガリア共和国と当社グループ、さらには日本国との友好関係の発展に尽くしてまいりたいと考えております」と話しました。

また、両国間の共同研究についても触れ、「これまで当社はブルガリア共和国の国営企業である国営企業LB Bulgaricum社と乳酸菌に関する共同研究を通じて、ヨーグルトの様々な可能性の探索を続けてまいりました。発売50周年を迎えるにあたり、両社の協力関係をさらに強化するために新たな共同研究スキームの構築という取り組みを進めております」と語りました。

なお川村氏は今年7月24日付で、在茨城ブルガリア共和国名誉領事に就任しています。

明治ホールディングスの川村和夫代表取締役社長CEO

川村氏に続いて、ブルガリア共和国のボグダン・ボグダノフ経済産業大臣、マリエタ・アラバジエヴァ特命全権大使が祝辞を述べました。

マリエタ・アラバジエヴァ特命全権大使は「明治ブルガリヨーグルトが50周年を迎え、皆様とご一緒にお祝いの場にブルガリア大使として出席できることは大変光栄であると思っています。明治ブルガリアヨーグルトはブルガリアの何世紀にわたる伝統と独特の乳酸菌、日本の最高の製造技術、卓越したマーケティング戦略でできた素晴らしい商品です。ブルガリアと明治の協力は、両国関係における最大の成功例であり、ブルガリアの名を日本中の方々に知っていただくきっかけになりました。ブルガリアの文化を日本に紹介し、経済協力を強化するための50年間にわたる明治の貴重なご支援に感謝の意を表します」と日本語で祝辞を述べました。

また、「今年はブルガリアと日本にとって特別な1年になりました。5月に西村経済産業大臣がブルガリアを訪問し、それにこたえるように、ブルガリアのボグダン経済産業大臣が、来日し本日の式典に出席しています。また2024年にはブルガリアの首都ソフィアにて、LB Bulgaricum社との自然で安全な食、健康精進のための共同研究プロジェクトが始まります」などと話しました。

ブルガリア共和国のボグダン・ボグダノフ経済産業大臣

ブルガリア共和国のマリエタ・アラバジエヴァ特命全権大使

「LB81乳酸菌」の最新研究の成果

オープニングに続いて行われた「乳酸菌研究成果発表」では、フランス・パスツール研究所免疫学部門のジェラール・エベール教授が、明治グループとの共同研究の成果を、慶應義塾大学薬学部創薬研究センターの金倫基教授が、明治グループの主要研究テーマの一つのなっている「LB81乳酸菌」の最新研究の成果をそれぞれ発表しました。

共同研究の成果については、2022年、順天堂大学、明治ホールディングス、東京大学パスツール研究所などの共同研究で、乳酸菌OLL1073R-1株が産生する菌体外多糖が免疫チェックポイント(※1)阻害薬の治療効果を高めること、およびそのメカニズムを解明しました。この成果は、世界的権威のある米国癌学会誌「CancerDiscovery」に論文掲載されました)。

一方、小腸には、食べ物から必要な栄養素を吸収するという役割がありますが、口から入ったウイルスや細菌、未消化の食べ物など、人体にとって非自己である異物を体の中に入れないようにする働きもあります。そのための機能が腸管バリアです。腸管バリアには「物理的バリア(防御機能)」「化学的バリア(攻撃機能)」「微生物学的バリア(抑止機能)」があり、これら “ 3重の壁 ” によって異物の排除や撃退をしています。

こうしたなか、「LB81乳酸菌」が物理的バリアを改善すること、化学的バリアの一種である抗菌ペプチドの産生を促進することが明らかになっています。

さらに今回新たに、「LB81乳酸菌」がM細胞(腸管上皮細胞の一種)を通って腸管に取り込まれ免疫細胞を刺激し、化学的バリアを増強するという一連のメカニズムが解明されました。

(※1)体内で発生したがん細胞は通常「異物」と認識され、免疫反応によって排除されます。しかし、がん細胞は免疫の攻撃を逃れようと、さまざまな「抵抗」を試みます。その一つが、免疫反応に「ブレーキ」をかけてしまうことで、このブレーキそのものを免疫チェックポイントと呼んでいます。
(文/ヘルスケア・マネジメント.com)

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