食べることの希望をつなごう
第118回
「自粛」と精神衛生

新型コロナウイルス感染症による外出制限によって、さまざまな問題が生じています。なかでも、依存症をはじめとする精神衛生上の問題は、今後深刻になりそうです。

通っていた自助グループが活動休止してしまったある当事者は、その苦境を次のように話してくれました。

「通所先がなくて、僕も仲間も本当に困っています。やっぱり励まし合って何とか飲まずにきているんだな、と改めてわかりましたよ。このままじゃ『コロナ・スリップ』が起きるよね、って仲間と話しています。会えない間は、SNSやメール、電話で連絡取り合おうということにしたけど、これがなかなかうまくいかなくて。対面じゃないと、話がこじれちゃうことも多いんですよね。私も含めて、皆めんどくさい人間だから。そうじゃなきゃ依存症なんかにならないでしょう。オンラインは難しいです」

まさに納得。次善の策としてオンラインでの交流は意味がないとは思いません。「コロナ・スリップ」の問題は、この先後を引くのではないでしょうか。一日も早い活動再開を願うばかりです。

宮子あずさ(看護師・随筆家)
みやこ・あずさ●1987年、東京厚生年金看護専門学校卒業後、2009年3月まで看護師としてさまざまな診療科に勤務。13年、東京女子医科大学大学院博士後期課程修了。博士(看護学)。現在は精神科病院の訪問看護室に勤務(非常勤)。長年、医療系雑誌などに小説やエッセイを執筆。講演活動も行う。看護師が楽しみながら仕事を続けていける環境づくりに取り組んでいる。近著に「宮子式シンプル思考 主任看護師の役割・判断・行動力」(日総研出版)がある