栄養士が知っておくべき薬の知識
第108回
医薬品経腸栄養剤に仲間入りした新規2製剤の特徴とは?

医薬品経腸栄養剤はその種類は限られますが、ここ数年で、エネーボやイノラスが新規発売されました。 特にイノラスは昨年に発売されたばかりですので、今回は両者を比較しながらその特徴を見ていきたいと思います。

おわりに

医薬品の経腸栄養剤は処方せんで投与可能であり、特に在宅で使用する場合は患者さんへの経済的負担を軽減させるために汎用されるかと思います。以前開発されたエンシュア・リキッドやラコールには微量栄養素が配合されておらず、長期使用時に問題になっていました。
イノラスやエネーボといった新規の栄養剤が発売されたことは、組成面のメリットが大きいと思います。加えてイノラスはアルミパウチ包装になっています。在宅医療が進むなか、運びやすさの面でもメリットのある製剤だと思います。

イノラス、エネーボのいずれも、今までの医薬品の栄養剤に比べて濃度が高く、少ない量で多くのエネルギー投与が可能である分、チューブだと逆流が問題になる方や、食事のみでは不足する栄養量を補いたい時に使いやすい面があります。
しかし、その一方で濃度が高いため水分不足を生じやすいといった注意点もあります。私も以前、エンシュア・Hで脱水症にさせてしまった苦い経験があります。
あと湯、先湯などで必ず追加の水分投与が必要です。栄養剤の組成をよく知って、患者ごとに応じた栄養管理を施すことが何よりも重要なことだと思います。(『ヘルスケア・レストラン』2020年8月号)

林 宏行(日本大学薬学部薬物治療学研究室教授)
はやし・ひろゆき●1985年、日本大学理工学部薬学科卒業。88年、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院勤務。2002年から同院NST事務局を務める。11年4月から日本大学薬学部薬物治療学研究室教授

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