栄養指導で“あるある! こんなこと”食べ方が速く、血糖値が安定しない時 咀嚼を促す方法で改善を図る

早食いも血糖値が高くなる原因の1つです。でも、その習慣の改善はなかなか難しいものですね。今回は自然と咀嚼回数が多くなる調理の工夫で、その習慣を改善したケースを紹介します。

体重が横ばいでも増加してなければOK

Yさんは、クリニックでの外来栄養指導に数回通っている60代の女性です。医師からの栄養指導の目標として、HbA1cは7・0%未満とカルテに書かれています。栄養指導開始時は、HbA1cが8・5%ありました。服薬も開始になりましたが、栄養指導でも頑張るようにと、月1回のペースで検査と投薬、栄養指導を行っています。

田村 おはようございます
Yさん おはようございます。よろしくお願いします
田村 まず、体重から測定しましょう
Yさん はい。毎回ドキドキです
田村 ご自宅でも量っていますよね?
Yさん はい。管理栄養士さんに言われたとおり、お風呂上がりに体重計に乗っています
田村 ありがとうございます。よいことです。毎日体重を量ることだけでも重要です

栄養相談開始時、Yさんの身長は154㎝、体重は68㎏でした。通院約半年の現在、体重が4㎏減って64㎏となりました。

田村 今日は63・8㎏ですね
Yさん 前回と変らないですね
田村 まぁそうですね。横ばいですが、増えてはいません。それだけでも大きな成果ですよ
Yさん そうですか。なんか順調に減っていたのに……
田村 家で量っていていかがですか?
Yさん 同じくらいです
田村 どうしても停滞期はあるので、この時期は我慢ですね
Yさん はい。わかりました

HbA1cが下がらない…食べる速さが原因?

田村 そして、血糖値ですが……
Yさん 先月よりちょっと下がっていたみたいですが、どうですか?
田村 そうですね。血糖値は先月が同じ食後2時間ぐらいで130㎎/dl台。今日は119㎎/dlですね
Yさん よかった。ヘモグロビンは?
田村 こちらは、先月が7・4%、今月も7・4%と横ばいでしたね
Yさん なんだか、ここからが下がらないですね
田村 そうですね。ここ3カ月横ばいですね
Yさん 朝夕のウオーキングも変らずやっているし、野菜も食べているし、食べる順番も守ってるし……
田村 ダメではありませんが、間食は?
Yさん 前はよく食べていましたが、今はどうしても口さびしい時におせんべいを食べるくらいで、甘い物もほとんど食べなくなりました
田村 頑張っていますね。数値をキープできているのはよいことです
Yさん でも、もう少し下げたいですね
田村 そうですね。先生もできれば7%未満が目標と書いてらっしゃいますね
Yさん あとは何をしたらよいのかしら?
田村 初回の問診の時に気になっていましたが、食べる速さっていかがですか?
Yさん 前よりはゆっくりですが、まだまだ速いですかね?主人には「食べるのが速い!」って言われます
田村 そうですか。そこをちょっと頑張ってみましょうか?習慣を変えるのなかなか難しいと思いますが……
Yさん どうしたら食べるスピードをゆっくりにできますか?
田村 一般的には一口30回噛むようにとか、食べている途中で箸を置いたりするとよいなどと言われていますが、なかなかできないですよね?
Yさん 一口30回ですか? それは難しいですね
田村 それでは、1つご提案です
Yさん 何でしょう? 何か方法がありますか?
田村 最初に食べる野菜ですが、少し大きめにカットしてはどうでしょう? たとえば、温野菜をいつもより大きめに切る。あるいは、少し硬めに調理する。そうすることでよく噛まないと飲み込めなくなりますし、食べる時間も少しゆっくりになります
Yさん なるほどね。考えたことなかったです
田村 歯は大丈夫ですか?
Yさん 今のところは大丈夫です。硬い物も食べられます
田村 じゃあ、ちょっと頑張ってみましょうか?
Yさん やってみます