院長婦人はコンサルタント
第110回
産休に入るスタッフよりも
残るスタッフのサポートが大切だ
暖冬だと思いきや、予想を覆して大雪警報発令続出の2月。レセプトも一段落し、「やれやれ」と思っていた矢先のこの有り様だ……。駐車場も雪に埋まり、地下水を組み上げ、雪を溶かす消雪パイプもフル稼働し、スタッフ総出で除雪作業。本降りになったのは幸いにも手術の翌日で、院長も除雪作業に奔走。「何の因果でこんな雪国にいるのだろうか?」と、わが身を嘆いてしまう。
頑張ってくれたスタッフたちに、サマンサは甘いお菓子を上納。人手不足のこの時代に当院で働いてくれ、おまけに除雪作業もしてもらえる。なんてありがたいことだろうか。子ども騙しとも思えるようなこのスィーツ戦略だったが、功を奏し、スタッフも喜んでくれた。
「今日は多分予約キャンセルの連絡が多いだろう」と思っていたら、意外にもキャンセルは3人のみで、予約外の患者さんも来院された。ニュースでは「大雪時には〝不要不急〞以外は外出を控えてください」って言っていたが、やはり、医療機関受診は〝必要至急〞に該当するんだと納得。
2月初旬はこの大雪騒動と受付スタッフの産休突入が重なり、ヘトヘトだった。前号からの懸案事項、省人化対策した割に受付スタッフのオペレーションの悪さに頭を抱えたサマンサであったが、あの後は現場に張りつき、パートスタッフを手取り足取りでブラッシュアップした。
一昨年末に当時の受付リーダーを退職勧奨した際も感じていたが、小さな職場で1人戦力を欠くことは、残ったスタッフにストレスがかかる。産休に入るスタッフよりむしろ、残るスタッフのケアとサポートが大切だ。今回の受付リーダーは自身も産休から復職した経験者なので、覚悟を持って職務にあたっていると思っていたが、ついついポロリと不安を口にしたからね。
しばらくはサマンサが看板受付嬢として張りつき、残ったスタッフのサポートにあたり、安心させねばなるまい。
一連の自動化に絡み、レセコンも買い替えねばならぬ時期と判明した。今回は〝医療DX令和ビジョン2030〞を見据えつつ進めなければなるまい。すべての医療機関で情報共有ができるよう、電子カルテ普及率の目標を26年までに80%、30年には100%と設定していると聞く。
院長の年齢層が高くなればなるほど使用率が下がる傾向があり、高齢医師は電子カルテが使えないことで医療継続ができなくなってしまう。そこで、1月末に院長も参加させて、業者からデモをしてもらった。
レセコン連動の電子カルテであり、現在使っているレセコンメーカーとは仕様が異なるが、今後の方向を見据えれば〝イイ感じ〞。導入費用も聞いていた価格よりかなり廉価版になり、配線工事&設置にもそんなに負担はないと聞いて、院長ともども安堵した。現在使っているレセコン取扱業者の対応が悪く、心機一転業者変更もやむなし。
〝サマンサ版医療DX〞は次号へと続く。(『CLINICばんぶう』2025年3月号)