社会保障短信(6月22日号)

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トピックス…2026年度改定に向け調査案を提示
ひとこと…マイナ保険証の利用促進について
今週の数字…4.1倍

トピックス:2026年度改定に向け調査案を提示

▼10~12月に調査第1弾
2026年度診療報酬改定に向けた取り組みが始まっている。
6月14日の中央社会保険医療協議会入院・外来医療等の調査・評価分科会では、「令和6・7年度入院・外来医療等の調査について」の項目案が示された。2024年度改定答申の際に加えられた附帯意見で、「引き続き検討すること」などを求める内容が示されている。
2026年度改定のポイントの一つになり得るほか、厚生労働省がどの点に関心を持っているかを見るうえでも、注目する必要があるだろう。

今回示された調査項目は、2024年度、2025年度の2年で調査する8項目。

▽急性期医療及び救急医療等に対する評価の見直しの影響
▽特定集中治療室管理料等の集中治療を行う入院料の見直しの影響
▽地域包括医療病棟の新設の影響
▽地域包括ケア病棟入院料及び回復期リハビリテーション病棟入院料の実績要件等の見直しの影響
▽療養病棟入院基本料等の慢性期入院医療における評価の見直しの影響
▽医療従事者の負担軽減、医師等の働き方開殻の推進に係る評価
▽外来医療の評価等、▽医療資源の少ない地域における保険医療機関の実態について――。

調査の実施は2024年10~12月と2025年6~7月。

▼7対1病棟の運営状況に注目
このうち、「急性期医療及び救急医療等に対する評価の見直しの影響」では、

①入院料の届出状況、職員体制、勤務状況、②重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の状況、急性期充実体制加算の届出状況
③各入院料等における患者の状態、医療提供内容、平均在院日数、入退院支援、退院先の状況
④リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の提供状況とその実績等の状況

――が挙がった。

2024年度改定では必要度でB項目を廃止し、平均在院日数を18日から16日に短縮するなど、要件を一層厳しくした。
また救急患者連携搬送料を新設して下り搬送を後押したり、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算を新設して急性期の段階からのADL維持を促したりといった誘導策が見られる。このあたりの効果は検証ポイントの一つになりそうだ。

▼「届出前の入院料」を調査
地域包括医療病棟の新設の影響については、

①高齢者の急性期疾患の受入状況
②リハビリテーション・栄養管理・口腔管理棟の提供状況とその実績等の状況
③患者の状態、医療提供内容、平均在院日数、入退院支援、退院先の状況
④職員の配置状況
⑤届出前の届出入院料

――などが挙がった。

届出前の届出入院料は、急性期一般病棟入院料2~6や地域包括ケア病棟入院料がもっぱら想定されているが、「急性期一般病棟入院料1の受け皿」といった見方もある。そもそも、どの程度の届出があるのかも注目される。

2024年度改定は入院医療体制の大きな見直しを促す内容だっただけに、調査結果は関心を呼びそうだ。

ひとこと:マイナ保険証の利用促進について

「著作権を公の機関や病院の側も持って、あまり過剰なコストがかからないような改善を可能にできる法制度にしていくとかいうことも含めて有効な対策も必要ではないのかなと思います。海外ではそういった事例があるように聞いていますので、全てが全て、たとえば、システムなどにおける小規模なマイナー改修でもコストが過大にかかるというのは改めるべきではないだろうかと思っているところです」
横尾俊彦
全国後期高齢者医療広域連合協議会会長/多久市長
~第178回社会保障審議会医療保険部会 5月15日

今週の数字:4.1倍

介護職の紹介手数料総額の、2016年から2021年での5年間での伸び率。58億円から239億円に増えた。医師は1.4倍増の181億円、看護師は1.1倍の328億円。全産業は1.7倍の5973億円。(出典:財政制度等審議会「我が国の財政運営の進むべき方向」参考資料(2)5月21日)
(文/ヘルスケア・マネジメント.com)

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