全国老人福祉施設協議会、実践研究発表の最優秀賞授与式を開催

2024/03/21更新

公益社団法人全国老人福祉施設協議会は、昨年11月29日から30日にかけて、「第2回全国老人福祉施設大会・研究会議 ~JSフェスティバル in 岐阜~」を開催し、2日目に開催した分科会で、テーマ別に7会場に分かれ、計49件の実践研究発表を行いました。
実践研究発表では、各分科会優秀賞受賞発表の中から最優秀賞(1発表)を選出、3月19日に開催した第51回総会前に、最優秀賞を受賞した養護老人ホーム富士見園(北海道稚内市)の山内正人氏に対し、授与式を行いました。

実践研究発表では、日々の取り組みの中で積み重ねてきた多くの“工夫”や“気づき”を客観視して、数値化・数量化・言語化していくことで、理論・根拠に基づいた取り組みとして発表。それを共有することにより、高品質・高機能なケアの標準化に繋げていくことを目的としています。

最優秀賞を受賞した山内氏は、「災害は”もしも”の話じゃない!!~防災力強化の実践~」とのタイトルで発表。職員の防災意識を高め、災害発生時に求められるスキルを養うため、マンネリ化した現状の訓練では不十分と考え、より効果的な訓練を模索し、「災害図上訓練(DIG)」に取り組んだ事例について紹介しました。

最優秀賞審査会の審査員は以下のように講評しています。

「BCP(事業継続計画)の作成は義務化され訓練の実施が求められているが単なる避難訓練にとどまらず災害図上訓練の内容はわかりやすかった。想定訓練としては理想的な報告であった。地域も巻き込んでできているところがすばらしく、DIGを用いた訓練が広がる契機になることを期待する」

また山口氏が発表した第6分科会の審査員以下のように講評しています。

「令和6年4月から実施する必要があるBCPに関連する発表であります。BCPは、ただ作成するだけでは実際の災害時には役に立たないと言われているが、DIGという災害図上訓練を利用し、現場の職員全体でBCPについて考えていけることは施設として最も基本である安心と安全につながる」

2024年4月からBCPの策定が義務化

BCPは、Business Continuity Planの略。企業や団体などが「自然災害などの緊急事態が発生したさい、重要な事業を継続させる、または仮に中断しても可能な限り短期間で復旧させるための方法や体制を示した計画」のこと。介護事業所では、2024年4月以降、施設系・在宅系を問わずBCPの策定が義務化されます。

(文/ヘルスケア・マネジメント.com)

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