セコムと豊田通商がインドに2つ目の総合病院を建設
2024/03/18更新
セコム株式会社(東京都渋谷区)のグループ会社でメディカル事業を担うセコム医療システム株式会社(東京都渋谷区)と豊田通商株式会社(名古屋市)は、インド南部にあるIT産業の中核都市ベンガルール(バンガロール)で共同出資会社を通じて運営する総合病院「サクラ・ワールド・ホスピタル」(サクラ病院)に続き、同地域で2つ目となる病院を建設することを決定しました。セコムが18日に発表しました。
新病院はサクラ病院から直線距離で10キロメートル離れた場所に建設し、2027年初頭の開院を予定しています。
インドでは経済成長による中間所得層の増加に伴い、一定水準の医療を求めて私立病院を受診する人々の割合が拡大する一方、同国の医療体制は、医師数・看護師数・病床数ともに国際基準を大きく下回っており、不十分な医療インフラの改善が社会的な課題となっています。
こうした中、サクラ病院は、インドにおいて初となる「日本式」総合病院として2014年3月に開業し、今年で開業10周年を迎えました。
ただ、ベンガルールにおいて、いまだに病院の空白地帯が点在していることから、これまで以上に人々の健康に寄与していくため、同地域に新病院を建設することとしました。
新病院では、サクラ病院の病床数307床を超える約450床に設定するとともに、総合がんセンターと小児・周産期総合医療センター、高機能健診センターを新設し診療機能を強化します。
またデジタル医療、再生医療などの先進医療が実践できる環境を整え、医師・看護師のトレーニング設備を設け、教育・訓練機能も充実するほか、先進的なリハビリテーションプログラムの提供と合わせて、退院後の在宅支援までケアすることで患者のQOL(Quality of Life)の向上を図っていきます。
建物についてもサクラ病院での運営経験を踏まえ、動線面でのカイゼンを取り入れ、機能性を向上しつつ、緑化や自然光を取り入れたデザインで来院者がより快適に過ごせる構造を採用するとのことです。
共同出資会社は、タクシャシーラ・ホスピタルズ・オペレーティング株式会社(所在地・ベンガルール)。2012年4月の設立で、資本金:71.8億ルピー(約129億円)。出資比率は、セコム医療システムが60%、豊田通商が40%となっています。
ベンガルールは、インド南部・カルナータカ州の州都。市域人口は842万人(2011年)、都市圏人口は1,016万人(2016年)であり、同国第4位の大都市圏を形成。インドにおけるIT産業の中心都市、イノベーション都市として知られています。
(文/ヘルスケア・マネジメント.com)