東京女子医科大が地域連携セミナーを開催
約80人の連携登録医らが参加
学校法人東京女子医科大学は12月14日夕方、医療関係者を対象とした地域連携セミナーを開催しました。
東京女子医科大学病院(東京都新宿区)医療連携・入退院支援部が企画・運営するセミナーで、今回で9回目。顎口腔外科学分野教授・基幹分野長の岡本俊宏氏が「口腔がん~かかりつけ医で早期発見を」をテーマに、婦人科学分野教授の熊切順氏が「稀少部位子宮内膜症の管理」をテーマに講演しました。
同大学弥生記念講堂(東京都新宿区)をメイン会場とし、Zoomで同時配信する対面・オンラインのハイブリッド形式で行い、連携登録医(同病院と医療連携をしているクリニックなど)など約90人が参加。セミナー終了後は、意見交換会の場も設けられていました。
東京女子医科大学病院では、2014年から2019年まで年1回のペースで都内のホテルなどを会場に、登録医や関係機関への最新情報の提供や情報交換・交流を目的に、医療懇談会・懇親会を開催してきました。1回あたり300人ほどが参加していたそうです。
しかし、コロナ禍で対面形式での開催が難しくなり、2020年からオンライン形式で年2~3回のペースで開催。今年3月からはハイブリッド形式とし今回で9回目の開催となりました。2020年以降は1回あたり80~100人ほどが参加しているそうです。
大月道夫副院長は、「懇親会があると参加者が多くなり、意見交換も行いやすい。状況を見ながら2019年以前の形式で開催していくことを検討していきたい」と語っていました。
なお今回は違いますが、「これまでは『登録医や関係機関への紹介』も兼ねて、新任の教授が講演する形でセミナーを開催してきました」(医療連携・入退院支援部医療福祉相談室 地域連携室 縄島正之課長)といいます。
連携登録医数は年々増加
東京女子医科大学病院では毎年、連携登録医の数は増加しており、その数は314人(2019年度)、375人(2020年度)、430人(2021年度)、481人(2022年度)、581人(2023年度、12月現在)となっています。
地域連携の取り組みも加速しています。例えば、連携登録医などが電話で患者の受診を予約しようとしても電話がつながりづらかったことから今年2月に、ウェブとファクスに加え、医療機関専用の電話予約ダイヤルを新設、さらに11月には連携登録医のダイレクトコールとも言える連携登録医専用の電話予約ダイヤルを新設しました。
2023年8月1日には「紹介受診重点医療機関」の指定を厚生労働省から受けています。
またセミナーの中でも、地域連携の取り組みが紹介されていました。
例えば、連携登録医(かかりつけ医)から画像を送ってもらい2日以内に診断結果を返信する歯科口腔外科の「遠隔画像診断システム」や、同病院の口腔がん患者の8割が連携登録医からの紹介であることなどが紹介されていていました。
板橋道朗院長は、閉会あいさつの中で、「各診療科が一丸となって、紹介いただいた患者さんを治療させていただき、先生方のところに戻す(相互で患者さんをフォローする体制)ということを心がけていきたい」と語っていました。
(文/ヘルスケア・マネジメント.com)