徳洲会がインドネシアに循環器病センターを建設


医療法人徳洲会 東上震一理事長(写真左)とインドネシア共和国 ブディ・サディキン保健相

医療法人徳洲会と、日本の国立循環器病研究センターに相当するインドネシア共和国の国立ハラパンキタ循環器病センターは11日、「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」建設などに関する覚書(MOU) を締結しました。

締結式は、東京・九段にある一般社団法人徳洲会東京本部で行われ、医療法人徳洲会の東上震一理事長、福田貢副理事長、大橋壯樹副理事長、インドネシア共和国のブディ・サディキン保健相、国立ハラパンキタ循環器病センターのイワン・ダコタ最高経営責任者(院長)などが出席しました。
また両国の関係発展等に資する取り組みであることから、日本政府からも、外務省国際協力局国別開発協力第一課の鴨志田尚昭課長、厚生労働省医政局総務課医療国際展開推進室の中西浩之室長が来賓として出席、祝辞を述べました。

覚書の内容は、徳洲会が100 億円規模の資金を拠出し推進する共同プロジェクトなどに関するもので、具体的には、ジャカルタにあるハラパンキタ循環器病センターの敷地内に「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」を建設(建て替え)するといいます。
地上20階・地下2階、460床の医療機関(現センターの病床数は現在の331床)となる見込みで、2026年中の竣工・運営開始を目指しています。


建て替えイメージ

既存のハラパンキタ循環器病センターは、インドネシアにおける循環器病の臨床、研究、研修の中心的役割を担っていて、これまでに2500例以上の心臓手術を行ってきたそうです。
一方、インドネシア国内では年間約200万人の患者がシンガポールやマレーシアなど海外で治療を受けたり、約277万人の患者が治療を受けることができなかったりという課題を抱えています。

そうした中、新たに「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」を建設し、より高度な医療を提供できる体制の構築を目指しています。

インドネシアでは海外の医師がインドネシア国内で医療行為を行うことについて厳しい制限が設けられていますが、新センターでは、徳洲会の医師が日本の医師免許だけで診療などを行うことができるようになります。
国立ハラパンキタ循環器病センターのイワン・ダコタ最高経営責任者は「インドネシアでは、海外で高度医療を受ける人が多数いる。その流出を止めるというのが一つの目的。徳洲会のサポートを得て、高度医療を提供することでアセアン各国から逆にインドネシアに医療を受けにくる、そうしたセンターを目指している」と話していました。続けて「ドクターの質だけでなく、サービス全体についても国際レベルを求めてやっていきたい」と述べていました。
また東上理事長は「世界に通用する一流の医療を提供する『アジアの医療のハブ』になる、そうしたことを目指していく」と語っていました。


医療法人徳洲会 東上震一理事長

新センターは、インドネシアの医療人材の臨床・研究・教育の場にもなることも見込まれていますが、徳洲会の若手ドクターにとっても経験を積める場所にもなるといいます。

徳洲会と国立ハラパンキタ循環器病センターは、2007年頃から湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、千葉西総合病院(千葉県)、岸和田徳洲会病院(大阪府)などの心臓外科・循環器内科の医師が中心となり、臨床・研究・教育面で交流を行なっています。こうした中、2022年に東上理事長がハラパンキタ病院を訪問し、今回のプロジェクトが決定したそうです。

また国立ハラパンキタ循環器病センターのイワン・ダコタ最高経営責任者は、国立循環器病研究センター(大阪府)に2年間在籍したことがあるほか、インドネシアに帰国後も、ときおり岸和田徳洲会病院で研修を受けていたとのことです。こうしたことも今回の覚書の締結に一役買ったということです。

徳洲会では今回のインドネシアのプロジェクト以外にも、透析センターを17か国に開設するなど国際医療支援を展開しています。
(文/ヘルスケア・マネジメント.com)


国立ハラパンキタ循環器病センター イワン・ダコタ最高経営責任者


インドネシア共和国 ブディ・サディキン保健相

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