制度と経営に強くなる!
BCP作成を全国各地で支援する
介護福祉BCPマスター資格が誕生!
介護事業所のリーダーが、今、知っておくべき知識を、業界に精通したC-MASのプロフェッショナルが伝授
全国に介護福祉BCPマスターが誕生しています
介護福祉BCPマスターとは、会計事務所の全国ネットワークであるC-MAS介護事業経営研究会、社会保険労務士の全国ネットワークである一般社団法人医療介護経営研究会(C-SR)が主宰し、一般社団法人コグニティブ・サポートが認定する、介護福祉BCP作成のコンサルティング資格です。今年1月に、全国で32人のBCPマスターが誕生しました。このBCPマスターが、地域の介護、障害福祉、医療のBCP作成についての作成支援を実施しています。
独立行政法人福祉医療機構(WAM)の調査では、2022年度までにBCPの作成を終えるとする介護施設・事業所が8割を超えています。これから本格化する施設・事業所のBCP作成を支援するために、介護福祉BCPマスターの有資格者は、今後もさらに増えていきます。その資格者は、会計事務所、社会保険労務士事務所が母体ですので、直接の顧問契約先を中心に作成支援を行いますが、顧問先以外の作成支援も行っていますので、お気軽にお声かけください。
BCPは2024年4月からは義務化される
2021年度の介護報酬改定で介護サービス、障害福祉サービスに義務化されたBCP(業務継続計画)は、2022年度診療報酬改定において、医療の訪問看護にも義務化されるとともに、診療報酬にも位置づけられました。2024年3月までは努力目標ですが、2024年4月からは義務化されます。すでに厚生労働省からは、BCPのひな型、ガイドライン、研修動画が出されています。
しかし、実際に各事業所で策定を進めるのは、かなり難しいでしょう。BCP作成を手がけたが、途中で挫折したという施設・事業所も少なくありません。さらに、研修、訓練のたびにBCPの見直しも求められます。BCPの作成プロセスであるBCM(事業継続マネジメント)を理解することが大切です。この辺リは、ぜひ、地域の介護福祉BCPマスターにお尋ねください。回り道や、道に迷うことなく、BCPの作成を進めることができるでしょう。
自然災害BCPはハザードマップが重要です
私自身も、今日までに全国で13施設のBCP策定のお手伝いをしています。実際にBCP委員会を立ち上げ、現場の声をくみ取りつくり上げています。しかし、施設ごとにBCPの重要性に対して温度差があると感じています。
BCP本来の目的は、事業の縮小、廃業、倒産をさせないことです。災害などで被災しても、業務を継続するための計画がBCPです。介護福祉では止められない業務があります。地域の高齢者のライフラインであり続けることです。BCP未着手の施設、事業所が多い理由は、危機感の欠如と言われています。まず、国や地方自治体が公表している防災資料などを参考に、自施設や事業所の自然災害リスクを把握する必要があります。自治体のホームページなどからハザードマップを入手します。これには、災害想定区域や避難場所、避難経路などが表示されています。地震、洪水、液状化、土砂崩れ、津波、高潮等のリスクを把握します。
災害が起きたとき、被災状況においては職員の出勤や利用者の送迎ができないこともあります。職員の移動が制限されることも想定します。被災時の事前準備として、非常食や衛生用品などの備蓄、自家発電機、貯水槽、井戸水等の現状の把握など、事前に確認すべき項目は多岐にわたります。停電を想定した場合、自家発電機があるから大丈夫と判断しがちですが、それは何時間使えるのか、燃料は何か、燃料の備蓄は十分か等を確認します。実際に72時間稼働可能という施設もあれば、非常灯だけで30分しか使えないという施設もありました。断水やガスの停止、空調の代替設備なども確認します。
問題点を一つひとつ掘り下げていき、実行性のあるBCPの作成を進めましょう。
感染症BCPは濃厚接触者による職員不足対策
感染症BCPは、多くの職員が濃厚接触者となり2週間の自宅待機となった状況を想定して作成します。特に、施設等は休業という選択はありません。平常時の5割程度の職員で、施設サービスを継続していく方法を考えていきましょう。
また、クラスターが発生した施設では、職員は家族への感染を避けるため家に帰らず車で寝泊まりしたり、施設側がウイークリーマンションを借りて出勤させたなどの事例があります。職員の宿泊場所などを事前に検討することも必要です。
さらに、少人数でサービス提供を続けるうえで、優先すべき介護サービス(優先業務)を絞り込んでBCPに明記します。介護施設のBCPではゾーニングの方法も重要になります。何度も訓練を実施して確定していきましょう。(『地域介護経営 介護ビジョン』2022年4月号)
顧問
こばやし・かおり●株式会社ベストワン代表取締役、一般社団法人コグニティブ・サポート代表理事。全国の介護保険施設、障害福祉施設にてBCP作成コンサルティングを手がけ、最大拠点120カ所を有する医療介護法人のBCP作成実績は稀有。セミナー講師としても活躍しており、BCP講座、感染症対策等をテーマに、介護施設の個別研修、個別指導を手がける。著書は「これならわかる<スッキリ図解>介護BCP(業務継続計画)」「コロナ時代の介護事業戦略」(以上、翔泳社)
株式会社ベストワン | ||
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◆介護事業に特化した経営・税務の専門家集団
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Care-Management Advisory Service
介護事業者の経営改善をサポートする会計事務所(税理士・公認会計士)で組織する、全国的なネットワーク。介護現場を熟知したプロフェッショナルたちが、経営改善はもちろん、戦略立案や実務においても一歩踏み込んだコンサルティングを行っています。本部事務局にお問い合わせいただければ、ご相談内容のソリューションを得意とする、地域に根づいた専門家をご紹介します。また各支部では、経営に役立つセミナー等を開催しています。
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