第6回 日本ヘルスケアダイバーシティ学会開催(2022.11.3)
シンポジウム「医師と医療従事者の働き方改革」に注目

2022年11月3日、「第6回日本ヘルスケアダイバーシティ学会」がオンラインと会場のハイブリッドで開催される。今年は、間もなく開始する「医師の働き方改革」について、様々な立場から議論するシンポジウムに注目が集まる。

医療介護業界のダイバーシティ経営推進を目指す

一般社団法人日本ヘルスケアダイバーシティ学会は、医療介護業界のダイバーシティ経営を推進するために設立された。ダイバーシティは「多様性」と訳され、多様な人材がそれぞれの能力を最大限発揮できる機会を提供することで、組織のパフォーマンスを上げることが、「ダイバーシティ経営」だ。

学会創設の陣頭指揮を執ったのは、同学会代表理事の社会医療法人敬和会(大分県大分市)の岡敬二理事長。同法人では、女性、障がい者、高齢者、外国人など多様な人材が働きやすい環境づくりを進め、16年には「ダイバーシティセンター」を設立した。岡理事長は、同様に努力して取り組んでいる他の医療機関と事例を情報交換できる場が必要と感じ、将来性を期待できる取り組みだと考えた。


日本ヘルスケアダイバーシティ学会理事長の岡敬二氏

同学会では毎年学術集会を開催。第6回となる今年は、テーマを「多様性がつなぐ、人づくり・組織づくり・地域づくり」とし、大会長には安藤高夫氏(医療法人社団永生会理事長)を迎えた。

大会長の安藤高夫氏

特別講演「東京都豊島区『としまF1会議』から考えるWell-Beingなコミュニティ」では、萩原なつ子氏(NPO法人日本NPOセンター代表理事)が講師を務める。8年前、東京23区で唯一「消滅可能性都市」と指摘された豊島区で、誰もが「わたしらしく、暮らせる」ダイバーシティに基づくユニバーサルなまちづくりを目指した「としまF1会議」で座長を務めた萩原氏がWell-Being(ウェルビーング)なコミュニティについて語る。

特別講演を行う萩原なつ子氏

さまざまな視点から、医師と医療従事者の働き方改革を議論

シンポジウム「医師と医療従事者の働き方改革」では、様々な視点から医療従事者の働き方改革について発表し、議論する。講師4人に今回の発表内容について伺った。

渋谷明隆氏
学校法人北里研究所北里大学 常任理事

医師の働き方改革で急な変革を迫られる医療現場からは様々な問題が指摘されている。一方で、三六協定を締結した場合の時間外労働はいわゆる過労死ラインであり、医師の心身の健康維持、医療の質と安全のためにも必要な改革だ。医師の時間外労働短縮の手法として、タスクシフト・シェア、女性医師活用、業務の効率化、ICT活用による生産性向上などが提唱されている。しかし、従来の医療提供体制に対し、医療者自身はもちろん国民のマインドセットを変えることが重要である。
講演では、医師の働き方改革の制度紹介とともに、医師の働き方改革を、ダイバーシティを含めた医療提供体制全体への改革に結びつける方策について考えてみたい。


長堀薫氏
国家公務員共済組合連合会横須賀共済病院 病院長

24年4月から開始となる罰則付きの医師の時間外労働規制がさし迫り、目指すべきとされるA水準の上限960時間の達成に、医療機関は蒼白になっている。最たるものは、救急体制の維持とファイナンスへの影響だ。当院のように、救急全応需の病院では、当直医はほぼ時間外労働となる。
当院では18年から、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」事業に研究責任者として参画し、病院の働き方改革と患者満足度の向上を図ってきた。講演では、労働人口が減少する将来を見据え、デジタルトランスフォーメーション(DX)を活かした労働量削減の取組についてご紹介する。


小西竜太氏
エム・シー・ヘルスケアホールディングス株式会社 上席執行役員CSO/CMO

病院の総合診療科で救急・集中治療・総合内科に従事後、民間企業に従事している。医師の働き方改革を病院と企業で比較すると、高い専門性や複雑な勤務体系などの異なる面がある一方で、経営管理的には大きな差はないと感じている。同じ思想や概念のもとで十分取り組むことができる。
また、医療機関の中だけでなくより大きな医療システムという範疇で考えると、システム全体での働き方改革という視点も重要だ。医療においては、医師の判断や意思決定が医療システム全体に強い影響力を及ぼしているため、講演では、医師を起点としたサステナブルな医療全体の働き方改革について言及する。


田中志子氏
医療法人大誠会 理事長

社会福祉法人を立ち上げ、創業者の父から医療法人を引き継ぐ中で、全員で理念を共有すること、スタッフの業務負担を減らして楽しく働ける環境をつくることについて、徹底的に考えた。
また、私自身の子育てしながらフルタイム勤務の経験をもとに、若いスタッフへの支援にも力を入れてきた。子どものための休暇、男性スタッフの育児休暇、介護休暇を取りやすい環整づくりを次々進め、若いスタッフが集まるようになった。人財教育にも力を入れ、医師を目指す学生と研修医に「地域とは」「多世代交流とは」「医療のゴールにあるまちづくりとは」などについて地域医療研修・実習をしている。
講演では、私たちの「人づくり・組織づくり・地域づくり」を紹介したい。


大会概要

テーマ:「多様性がつなぐ、人づくり・組織づくり・地域づくり」
日 時:11月3日(木・祝)10:00~16:00
場 所:国際医療福祉大学 東京赤坂キャンパス
   (東京都港区赤坂4-1-26)
大会長:安藤高夫氏(医療法人社団永生会理事長)

◎プログラム
大会長講演
 安藤高夫氏(医療法人社団永生会理事長)

特別講演
「東京都豊島区『としまF1会議』から考えるWell-Beingなコミュニティ」
 萩原なつ子氏(独立行政法人国立女性教育会館理事長、NPO法人日本NPOセンター代表理事)

シンポジウム 「医師と医療従事者の働き方改革」
 渋谷明隆氏(学校法人北里研究所常任理事)
 長堀  薫氏(国家公務員共済組合連合会横須賀共済病院病院長)
 小西竜太氏(エム・シー・ヘルスケアホールディングス株式会社上席執行役員CSO/CMO)
 田中志子氏(医療法人大誠会理事長)

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